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Shopifyに「のし」の標準機能はない|line item propertiesで自作できる範囲と、表書き32種に対応する日本製アプリを含むギフト包装アプリ8本の比較

Shopifyにギフトラッピング、のし、ギフトメッセージ、ギフトレシートの標準機能はありません。テーマのline item propertiesを使えば「のし」の選択欄自体は自作できますが、そこに価格を持たせることができないため、有料ラッピングの実装は必ず別の仕組みを必要とします。さらにチェックアウト画面でギフトオプションを出すにはShopify Plusが必要です。内のし・外のし、表書き、水引といった日本の贈答文化のロジックは海外製アプリにほぼ存在せず、実質的な選択肢は日本製4本に絞られます。2026年9月1日時点のShopify App Storeで全8本の料金と対応範囲を確認しました。提供終了したアプリも1本あります。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 16#Shopifyブログ運営#アプリ比較#初心者向け

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

「Shopifyでお中元に対応したい」「内のしと外のしを選ばせたい」。日本のECでは当たり前のこの要件が、Shopifyでは驚くほど手間がかかります。理由は単純で、Shopifyにはギフトラッピングものしもギフトメッセージもギフトレシートも、標準機能として存在しないからです。

ヘルプセンターに該当するマニュアルページがありません。Shopify公式ブログのギフトラッピング解説記事も、「ラッピングを商品として作る」「テーマのカート実装」「アプリ、またはShopify Plusのチェックアウト拡張」という3つの手段を案内するだけで、管理画面のどこかにスイッチがあるとは書いていません。標準機能として存在するギフト関連の仕組みは、ギフトカードだけです。

一方で、テーマのコードを触れる方なら「line item propertiesで選択欄を作ればいいのでは」と考えるはずです。それは半分正解です。選択欄は作れます。ただし、そこに料金を持たせることができません。この一点が、自作アプローチが必ずどこかで壁に当たる理由です。

この記事では、Shopify標準でどこまでできてどこで詰まるのかを一次情報で確認し、実在するギフト包装アプリ8本を同じ軸で比較します。調査日は2026年9月1日、料金はすべてShopify App Store掲載のUSD表記です。日本製アプリも含め、円建ての料金設定は1本もありませんでした。

先に結論

冠婚葬祭を扱い、表書きの種類を出し分け、内のし・外のしを選ばせたいなら、選択肢は日本製アプリに限られます。海外製の主要アプリ(Wrapin、Gift Wrap Plus、Giftship)の機能記載には、表書き、内のし・外のし、水引に相当する項目が一切ありません。汎用のギフトラップ機能を日本の贈答文化に当てはめる作業が発生します。

のしの深さを最優先するなら、cocoron ギフトが現時点で最も専門的です。表書き32種と水引画像、内のし・外のしの選択、名入れまで揃っています。ただし2026年3月13日公開の新しいアプリで、レビューは1件です。

のしに加えてSNSギフトや複数配送、国内WMS連携まで必要なら、All in giftです。オープンロジ、シッピーノ、ネクストエンジン、ロジレスとの連携が掲載されています。

まず無料で始めたいなら、PALの無料プラン(月5ギフト注文まで)が唯一の実用的な無料枠です。日本語UIも対応しています。ただしのし専用のUIはありません。

アプリを入れずに済ませたいなら、無料のラッピング「商品」をカートページに追加する方法があります。これはShopify公式が案内している手法で、全プランで動作します。ただし、のしの種類選択までは無理があります。

Shopify標準でできること

順に整理します。

line item properties は、商品フォームの中に properties[のし表書き] のような名前を持つinputを置くことで、カートに任意の情報を渡す仕組みです。テーマのコードだけで実装できます。テキスト欄でもプルダウンでもファイルアップロードでも構いません。カートページでは item.properties をループして表示できます。プロパティの値が違えば、同じ商品でもカート上で別の行として扱われます。

cart attributesattributes[配送メモ] の形で、注文単位のカスタム項目を作る仕組みです。商品ごとではなく注文全体に紐づく情報を扱えます。

order notes(注文メモ) は、Shopifyの無料テーマならテーマ設定から有効化できます。Cart セクションの Subtotal 内にある「Enable cart note」にチェックを入れるだけで、カートに自由記入欄が出ます。ラベルの文言も変更できます。

Shopifyのヘルプセンターは、この3つを明確に区別しています。order notes は注文全体への指示、cart attributes はカートページのカスタムフォーム項目、line item properties は商品ページで指定する商品固有のカスタマイズ情報です。

ラッピングを商品として売る方法も、Shopify公式ブログが案内しています。「ギフトラッピング」という商品を作り、バリアントで種類を分け、配送不要の設定にして、カートページに商品ブロックやBuy Buttonを配置します。この方法は全プランで動作します。

どこで詰まるか

ここからが本題です。

line item properties に価格を持たせられません。 Shopifyの開発者ドキュメントは line item properties を「追加情報を記録する仕組み」としてのみ定義しており、価格や在庫を扱う記述はありません。だからこそ公式ブログは、有料ラッピングを実現する手段として「ラッピング商品を別途カートに追加する」方法を案内しています。つまり自作でやると、選択欄(properties)と課金(別商品)が別々の仕組みになり、両者を同期させる処理を自前で書くことになります。のしの種類ごとに価格を変えたい、といった要件になると一気に複雑になります。

在庫管理もできません。 properties はバリアントに紐づく付随情報であり、在庫はバリアント側にしか存在しません。「金封は残り20枚」のような管理はできません。

properties は商品フォームの中にしか置けません。 開発者ドキュメントに「Any property inputs need to be included inside the product form」と明記されています。「この注文全体にのしを付ける」という注文単位のオプションにはできず、その場合は cart attributes か order note を使うことになります。逆に言えば、商品ごとに違うのしを付ける要件なら properties、注文にひとつだけなら attributes、という設計判断が最初に必要です。

チェックアウト画面にギフトオプションを出すにはShopify Plusが必要です。 Shopifyの開発者ドキュメントは、チェックアウトの information、shipping、payment の各ステップに描画される Checkout UI extensions について「available only to stores on a Shopify Plus plan」と明記しています。Thank you ページと Order status ページの拡張は Shopify Starter を除く全プランで使えますが、これは購入後の画面です。購入手続きの途中でのしを選ばせたいなら、Plusが前提になります。

そして、日本の贈答文化のロジックは標準に一切ありません。 内のしと外のしの区別、表書きの使い分け、水引のデザイン、慶事と弔事の出し分け、名入れ。これらはShopifyのどの一次情報にも登場しません。当然といえば当然で、ここを埋めるのがアプリの役割です。

ギフト包装アプリ8本の比較

Shopify App Storeの「Gift wrap and messages」カテゴリには全53本のアプリが掲載されています。そのうち、のし対応または日本語対応、あるいはレビュー数上位のものを8本取り上げます。すべて2026年9月1日時点の掲載情報です。

アプリ開発元(所在地)評価(件数)BFS無料プラン料金日本語のし専用UI
cocoron ギフトcocoronApps(銀座)5.0(1)なしなし$8.99/月日本語のみ最も深い
All in giftHuckleberry(世田谷)4.9(129)なしなし$9.90〜$49/月日本語のみあり
Gift Options PlusDryworks(恵比寿)4.3(8)要確認なし$3.99〜$9.99/月日本語・英語あり
シンプルのし(熨斗)アプリUnReact(福岡)0.0(0)なしなし$6.99/月日本語のみあり
PAL ‑ Gift Wrap, Gift NoteShree Balajee(ニューデリー)4.8(43)あり月5注文$5〜$9.99/月日本語UIなし
Wrapin ‑ Gift Wrap & OptionsPrezen Apps(オハイオ)4.9(355)ありテスト用のみ$3.99〜$7.99/月英語のみなし
Giftship: Gift, Bundle & ShipGist(ビクトリア)4.8(245)なしなし$59.99〜$399.99/月英語のみなし
Gift Wrap PlusNulls.Net(リガ)4.9(64)なし月5件$3.99〜$19.99/月英語のみなし

この表から読み取れることが4つあります。

第一に、のし対応で選ぶと候補は4本しか残りません。 cocoron ギフト、All in gift、Gift Options Plus、シンプルのし(熨斗)アプリ。いずれも日本の開発元です。海外製の3本は汎用ギフトラップとしては成熟していますが、表書きや内のし・外のしという概念自体を持っていません。

第二に、無料プランがほぼ存在しません。 実運用に使える無料枠を持つのはPAL(月5ギフト注文)とGift Wrap Plus(ギフト注文5件・ギフト商品1つ・全ストア共通オプションのみ)だけです。Wrapinの「Free」はテストストアとトライアルプランのストア向けと明記されており、本番用ではありません。日本製4本はすべて有料で、7日間から14日間の無料トライアルのみです。

第三に、価格帯が二極化しています。 日本製と海外の小規模アプリは月$3.99〜$9.90に集中する一方、Giftshipは最安プランでも$59.99で、500件を超えると1注文あたり$0.10が加算されます。GiftshipはKlaviyo、ShipStation、TaxJar、1,600以上の配送キャリアとの連携を持つ規模の大きいアプリで、ギフトラッピング単体を求めて選ぶ性格のものではありません。

第四に、レビュー数と機能の深さが一致していません。 レビュー最多はWrapinの355件ですが、のし対応はゼロです。逆にのしを最も深く実装しているcocoron ギフトはレビュー1件です。日本固有の要件では、レビュー数を選定基準の中心に置けません。

各アプリの補足

cocoron ギフト|熨斗もラッピングもこれ1つで

開発元はcocoronApps(中央区銀座)。2026年3月13日公開。$8.99/月、または$88.90/年。7日間無料トライアル。日本語のみ。

表書き32種に水引画像と説明文が付き、内のし・外のしの選択名入れに対応します。用途を選ぶ、表書きを選ぶ、内のしか外のしかを選ぶ、という3ステップのUIです。ラッピング、紙袋、メッセージカードにも対応し、各オプションに価格を設定できます。Shopify Functionsの Cart transforms 権限を利用しています。

のしの表現力という一点では、確認できた中で最も深い実装です。ただし公開から半年ほどで、レビューは1件です。導入判断はトライアル期間中の実機検証に依存します。

All in gift|eギフト・熨斗・ラッピング対応アプリ

開発元はHuckleberry(世田谷区)。2021年11月2日公開。評価4.9(129件)。日本語のみ。

料金は4ティア構成で、いずれも14日間無料トライアルです。通常ギフト$9.90/月、eギフト$9.90/月(eGift取引手数料3%が別途)、通常ギフトPRO $49/月、eギフトPRO $49/月(同3%)。PROプランでは複数配送、配送日時、ギフトオプションの個別設定が可能になります。

熨斗・ラッピング・ギフトカード・手提げ袋に加え、SNSギフト用のURL発行お届け先の匿名化、カタログギフト、マルチシップに対応します。連携先にオープンロジ、シッピーノ、ネクストエンジン、ロジレスが掲載されており、国内の物流・受注管理と繋げたい場合に効いてきます。Checkout連携の記載もあります。

なお、eギフトを使う場合は月額に加えて取引額の3%が乗ります。ギフト経由の売上比率が高いストアでは、月額よりこちらの影響が大きくなります。

Gift Options Plus

開発元はDryworks(渋谷区恵比寿西)。2021年5月10日公開。評価4.3(8件)。日本語と英語に対応。

STARTER $3.99/月(ウィジェット1つ)、STANDARD $7.99/月(最大5つ)、PREMIUM $9.99/月(最大10つ)。いずれも7日間無料トライアル。ウィジェット数で料金が決まるという珍しい課金軸です。商品ページ、カート、チェックアウトのどこに出すかをウィジェットとして数えます。

のし・ラッピング・メッセージカードに対応し、カート上での表示を「separate」(別行として表示)と「bundle」(1行に統合)で切り替えられます。商品別の出し分け、自動注文タグ、注文メモ連携も掲載されています。Shopify Functions の Cart transforms を使用しています。

カート表示の統合・分離を選べる点は、他アプリの掲載情報には見当たらない特徴です。ラッピング料金を別行で見せたくない場合に効きます。

シンプルのし(熨斗)アプリ

開発元はUnReact(福岡市西区)。2024年2月8日公開。$6.99/月、または$69.99/年。7日間無料トライアル。日本語のみ。開発ストアでは無期限・無料で使えます。

カートページでののし追加に対応し、冠婚葬祭用ののしが用意されています。種類と金額を設定でき、のしの種類を追加することもできます。名前のとおり機能を絞った構成で、ラッピングや紙袋は含まれません。

2026年9月1日時点でレビューは0件です。実績データが存在しない点は導入判断に織り込む必要があります。

PAL ‑ Gift Wrap, Gift Note

開発元はShree Balajee Technologies(ニューデリー)。2025年4月2日公開。Built for Shopifyバッジ付き。掲載言語に日本語が含まれます。

Starterは無料で月5ギフト注文まで。商品別のラップ制御、注文タグ・メモ、全ページ対応、有料・無料ラップ、画像プレビュー、メッセージに対応します。Growth $5/月(または$50/年)で月50注文、Scale $9.99/月(または$99.99/年)で無制限。有料プランは7日間無料トライアル。

海外製で唯一、日本語UIを掲載しているアプリです。ただし、のし専用のUI(表書き選択、内のし・外のし、水引)は持ちません。「のし」という文字を選択肢のテキストとして入れることは可能でも、日本の贈答マナーのロジックは自分で組む必要があります。Checkout、Cart Drawer、Cart Page、Product Page への対応が掲載されています。

海外製の主要3本

Wrapin ‑ Gift Wrap & Options(Prezen Apps)は評価4.9(355件)でBuilt for Shopifyバッジ付き。$3.99/$5.99/$7.99の3段階で、Proプランでは複数ギフトオプションと多言語翻訳に対応します。連携は Shopify Admin のみで、Checkout連携の記載はありません。

Giftship: Gift, Bundle & Ship(Gist)は評価4.8(245件)。Essential $59.99/月(500件超は$0.10/注文)、Plus $149.99/月、Enterprise $399.99/月。リスティングに「checkout options (Shopify Plus)」と明記されており、チェックアウトへの表示はPlus限定です。

Gift Wrap Plus(Nulls.Net)は評価4.9(64件)で2016年12月6日公開。Small無料(ギフト注文5件・ギフト商品1つ)、Medium $3.99(20件)、Large $8.99(70件)、X-Large $19.99(150件)と、ギフト注文の件数で階段が組まれています。件数上限に達したときの挙動は事前に確認が必要です。

提供終了しているアプリ

「のしオプション」(開発元 yojiro / bluestyle.jp)は、App Storeのページに「This app is not currently available on the Shopify App Store.」と表示されます。現在インストールできません。 検索で今も上位に出てくることがあるため、記事や比較表で見かけても候補に入れないでください。

導入前チェックリスト

  • のしの要件を具体化したか。表書きは何種類必要か、内のし・外のしの選択は必須か、名入れはあるか
  • のしを商品ごとに付けるのか、注文ごとに1つなのか。この違いで実装方式(line item properties か cart attributes か)が変わり、対応アプリも変わる
  • ラッピングやのしに料金を課すか。課すなら標準機能だけでは成立しない
  • チェックアウト画面での選択が必要か。必要ならShopify Plusが前提
  • 管理画面と顧客向け画面の言語。日本製4本のうち3本は日本語のみで、英語圏の顧客には対応しない
  • 料金がUSD建てである点。為替変動が月額に直接効く
  • 物流・受注管理システムとの連携が必要か。オープンロジやネクストエンジンとの連携はAll in giftのみ掲載
  • 納品書に価格を出さない運用が必要か。Shopifyの packing slip テンプレート編集で対応する領域で、アプリ側の機能ではない場合がある
  • テーマ変更時の影響。カートやチェックアウトへの表示方式はアプリごとに異なる

まとめ

判断の順番は次の4つです。

  1. のしのマナー要件を先に固める。 表書きの種類数、内のし・外のしの要否、名入れの有無。ここが曖昧なまま比較しても、どのアプリでも「できそう」に見えてしまいます
  2. のし対応が必須なら、候補は日本製4本。 海外製のギフトラップアプリは、日本の贈答文化のロジックを持っていません
  3. チェックアウトで選ばせたいかを確認する。 必要ならShopify Plusという前提が加わり、コスト構造が変わります
  4. 無料トライアル中に、注文から納品書出力までを実際に通す。 のしの内容が管理画面の注文情報にどう記録されるか、ピッキングと梱包の現場で読める形になっているか。これは機能一覧では判断できません

なお、App Storeの料金・評価・バッジは変更されます。この記事の数値は2026年9月1日時点の掲載内容です。特にレビュー数は取得タイミングによって差が生じるため、導入前には各アプリのページで最新の情報をご確認ください。

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