この記事でわかること
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サンクスページに出ていたはずのレビュー依頼が消えている。配送追跡のウィジェットが表示されない。広告のコンバージョン数が先週から急に落ちている。
もし今週このどれかが起きているなら、原因はアプリの不具合ではない可能性が高いです。2026年8月26日、非Plusのすべてのストアで、注文状況ページ上のスクリプトタグが停止しました。
これはShopifyが数年かけて予告してきた期限で、Plusストアでは1年前の2025年8月28日にすでに同じことが起きています。そして、これで終わりではありません。2026年10月1日にはスクリプトタグの作成・更新自体ができなくなり、2027年3月1日にはストアフロント全体で動作が止まります。
この記事では、shopify.devとShopifyヘルプセンターの記載をもとに、何が止まったのか、自分のストアが影響を受けているかを管理画面だけで確認する手順、そして次の期限までにやることを整理します。調査日は2026年8月31日です。
先に結論
8月26日に止まったのは「注文状況ページ(およびサンクスページ)で動いていたスクリプトタグ」だけです。 ストアフロント側、つまり商品ページやカートページで動いているアプリのスクリプトはまだ動いています。ただし、それも2027年3月1日には止まります。
止まりやすいのは、購入完了後に動く機能です。 コンバージョン計測、レビュー依頼、配送追跡ウィジェット、アンケート、購入後アップセルなどが該当します。
確認は管理画面の「設定 > チェックアウト」でできます。 アップグレードの通知が出ていれば、まだ旧バージョンのページを使っている状態です。
アプリ側が対応済みかどうかで、対処が変わります。 対応済みならブロックやピクセルの再設定で復旧します。未対応なら、開発者に問い合わせるか、別のアプリに乗り換えることになります。
スクリプトタグとは何だったのか
スクリプトタグ(ScriptTag)は、アプリがテーマのコードを書き換えずに、ストアのページへJavaScriptを読み込ませる仕組みです。アプリごとに紐づいていて、アプリをアンインストールするとShopifyが自動で削除します。
長らく、アプリがストアに機能を追加する標準的な手段でした。とくにサンクスページと注文状況ページは、テーマのファイルを直接編集できない領域だったため、スクリプトタグ以外に選択肢がほとんどありませんでした。
その一方で、この仕組みには構造的な問題がありました。アプリが任意のJavaScriptを購入完了直後の画面に流し込めるということは、決済にもっとも近い場所のセキュリティと表示速度を、Shopifyがコントロールできないということでもあります。
Shopifyは2021年にテーマアプリ拡張(theme app extension)を導入してスクリプトタグの置き換えを始め、チェックアウトまわりについては、ブロック、Webピクセル、Customer account UI extensionsという専用の仕組みを用意しました。今回の停止は、その移行の完了フェーズにあたります。
期限のタイムライン
shopify.devに記載されている日付を、起きた順に並べます。
| 日付 | 何が起きるか | 対象 |
|---|---|---|
| 2025年2月1日 | アプリがサンクスページ・注文状況ページに新しいスクリプトタグを作成できなくなった | 全ストア |
| 2025年8月28日 | 注文状況ページのスクリプトタグが停止。追加スクリプト欄が閲覧専用になった | Plusストア |
| 2026年8月26日 | 注文状況ページのスクリプトタグが停止 | 非Plusストア |
| 2026年10月1日 | スクリプトタグの作成・更新ができなくなる | 全ストア |
| 2027年3月1日 | ストアフロント上でスクリプトタグの動作が停止する | 全ストア |
2025年2月1日以降にインストールしたアプリは、そもそも新しいスクリプトタグを作れていません。つまり、今回影響を受けるのは主に2025年2月より前から使い続けているアプリです。長く安定して使ってきたアプリほど、今回のタイミングで止まっている可能性が高いという、少しやっかいな構図になっています。
実際に何が止まるのか
Shopifyは、機能の種類ごとに移行先を指定しています。逆に言えば、この分類がそのまま「何が止まったか」の見取り図になります。
計測・トラッキング系。 広告のコンバージョンタグ、アクセス解析、アトリビューション計測など。移行先はWebピクセルとアプリピクセルです。ここが止まると、広告管理画面のコンバージョン数だけが落ちて、実際の売上は変わっていない、という状態になります。売上が落ちたと勘違いして広告予算を触ってしまうと二重の損失になるため、まず確認すべき箇所です。
サンクスページの表示要素。 レビュー依頼、アンケート、追加のバナー、SNS誘導、紹介プログラムの案内など。移行先はチェックアウトエディタで追加するブロックです。
注文状況ページのカスタマイズ。 配送追跡ウィジェット、注文詳細の追加表示など。移行先はCustomer account UI extensionsです。
購入後のオファー。 購入完了直後に表示するアップセル・クロスセル。アプリ側がブロックへ対応していれば継続できます。
なお、Plusストア向けには2025年8月28日から、チェックアウト設定の「追加スクリプト」欄が閲覧専用になっています。自分で貼り付けたタグを手で編集して直す、という対処は現在できません。
管理画面で自分のストアの状態を確認する
ここからは実際の手順です。開発者に依頼しなくても、管理画面だけで現状を把握できます。
まず、ページのバージョンを確認します。 管理画面から「設定 > チェックアウト」を開き、「構成」セクションを見ます。ここにアップグレードを促す通知が表示されていれば、まだ旧バージョンのサンクスページ・注文状況ページを使っている状態です。通知の「確認する」からアップグレードガイドを開けます。
次に、アップグレードガイドの中身を見ます。 これはストアごとに自動生成されるレポートで、そのストアに実際に入っているカスタマイズを分類して表示してくれます。ここが今回の作業のいちばんの近道です。
ガイドには「アプリ」セクションがあり、開発者が新しいページに対応済みのアプリが並びます。「トラッキングと分析」の項目では各アプリの「管理」からアプリピクセルの設定へ進めますし、「ページのカスタマイズ」では「ブロックを追加」から表示要素を作り直せます。
「互換性のないアプリ」セクションが、いちばん重要です。 ここに並ぶのは、開発者がまだ新しいサンクスページ・注文状況ページに対応させていないアプリです。ブロックやWebピクセルでの代替機能を提供していないため、そのアプリのサンクスページ上の機能は復旧しません。Shopifyのガイダンスも明快で、開発者に問い合わせるか、別のアプリを入れるか、のどちらかです。
追加スクリプトの欄も確認します。 アプリ経由ではなく、自分や制作会社が直接貼り付けたタグがある場合、アップグレードガイドがそれらを目的別(認証、注文追跡など)に分類して表示します。分類に応じて、Shopifyの標準機能、App Storeのアプリ、カスタムアプリのいずれかで作り直すことになります。
最後に、ページを差し替えます。 新しいページ側のカスタマイズが整ったら、アップグレードガイドの「アップグレード」を実行します。これ以降、購入者には新しいサンクスページ・注文状況ページが表示されます。
戻せる条件と、戻せない条件
アップグレードを実行したあとで問題が見つかった場合、旧バージョンへ戻せるケースがあります。ヘルプセンターに記載されている条件は次の3つで、すべてを満たす必要があります。
ストアが2025年1月6日より前に作成されていること。追加スクリプトまたはスクリプトタグを使うアプリによる既存のカスタマイズがあること。そして、手動でアップグレードしてから30日未満であること。
戻した場合、ブロックで作ったカスタマイズは下書き構成として保存され、あとで公開し直せます。ただし、移行期限までに再アップグレードしなければ、自動的に新しいページへ切り替わります。
注意点がひとつあります。ストアを一時停止(Pause and Build)すると、サンクスページ・注文状況ページは自動的にアップグレードされ、これは一時停止を解除しても元に戻せません。 季節性のあるストアで一時停止を使う運用をしている場合は、覚えておく価値があります。
まだ2つの期限が残っている
今回の8月26日で片づいたのは、注文状況ページの分だけです。
2026年10月1日以降、スクリプトタグの作成・更新ができなくなります。 場所を問わず、です。アプリ側の移行が済んでいない場合、この日以降は「古い方式のまま新しい設定を反映する」という選択肢すら消えます。
2027年3月1日、ストアフロント上のスクリプトタグが停止します。 商品ページ、コレクションページ、カートページで動いているアプリのスクリプトが対象です。注文状況ページの停止より影響範囲が広く、こちらのほうが本番です。
ストアフロント側の移行先は、テーマアプリ拡張のアプリ埋め込みブロックです。この仕組みはOnline Store 2.0テーマだけでなく、旧来のvintageテーマでも動作します。分析やコンバージョン計測が目的のスクリプトについては、Webピクセルが移行先になります。
つまり、今後18か月ほどのあいだに、ストアフロント側でも同じ確認作業をもう一度やることになります。
この移行から見えるアプリ選定の基準
今回の一件は、アプリを選ぶときの判断材料をひとつ増やしてくれます。
新しい統合方式に追随しているアプリかどうか。 テーマアプリ拡張、Webピクセル、チェックアウト用のブロックといった現行の仕組みを使っているアプリは、この手の期限が来ても機能が止まりません。逆に、テーマのコードを直接書き換えたり、スクリプトタグに依存し続けているアプリは、Shopify側の仕様変更のたびに影響を受けます。
この観点は、Shopifyが認定するBuilt for Shopifyの要件にも組み込まれています。オンラインストアで使われるアプリは、テーマアプリ拡張で要素を作ることが要件のひとつになっています。App Storeでこのバッジを確認するのは、こうした追随性を見分けるひとつの手がかりになります。
開発者が期限に対して何を告知していたか。 今回、Shopifyはアプリのインストール時にバナーを表示し、未対応アプリの一覧をアップグレードガイドに掲載してきました。それでも直前まで対応しなかったアプリは、次の2027年3月の期限でも同じことをする可能性があります。
アプリ内の機能ではなく、Shopifyの標準機能で足りないか。 サンクスページのカスタマイズについては、チェックアウトエディタで直接ブロックを配置できる範囲が広がっています。アプリを1本増やす前に、標準のエディタで済むかを確認する価値はあります。
まとめ
2026年8月26日、非Plusストアの注文状況ページでスクリプトタグが停止しました。購入完了後に動いていた計測、レビュー依頼、配送追跡などが影響を受けます。
いま確認すべきことは3つです。管理画面の「設定 > チェックアウト」でアップグレード通知が出ていないか。アップグレードガイドの「互換性のないアプリ」に何が並んでいるか。そして、広告管理画面のコンバージョン数が8月26日を境に不自然に落ちていないか。
そのうえで、2026年10月1日と2027年3月1日という次の期限が控えています。今回の確認作業で自分のストアのアプリ構成を把握しておけば、次の期限はずっと軽い作業で済みます。
アプリまわりの仕様変更は、告知から実施まで1年以上あるのが通常です。止まってから気づくのではなく、shopify.devの変更履歴や管理画面の通知を定期的に見る運用にしておくと、こうした影響は事前に潰せます。
Sources:
- Script tag deprecation(shopify.dev)
- ScriptTag functionality to be blocked as of February 1, 2025(shopify.dev)
- The ScriptTag resource (legacy)(shopify.dev)
- Non-Plus - Upgrading and replacing your Thank you and Order status pages(Shopifyヘルプセンター)
- About theme app extensions(shopify.dev)
- Built for Shopify requirements(shopify.dev)
Shopifyの管理画面側の住所検証は、全プランで常時有効、無料で、米国に対応している。チェックアウト時の検証もトグル1つで有効にできる。そのうえで公式ドキュメントは、サードパーティの住所検証アプリを同時に使うと提案が競合してチェックアウトのコンバージョンを下げうるため、どちらか一方にせよと明記している。ここでカテゴリの見え方が変わる。アプリは配送可能性の判定を二重化するためのものではなく、Shopifyの検証がやらない「私書箱の拒否」「部屋番号の必須化」といったポリシー強制のためのものだ。2026-09-02時点で米国App Storeの実在アプリ4本を確認した。月額4.99ドルの定額、1注文あたり0.04ドル、そしてShopifyの請求とは別に契約が必要なものまで幅がある。