この記事でわかること
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Shopifyの商品ページに出ている「関連商品」は、何を根拠に選ばれているのか。この質問に日本のストア運営者が向き合うと、公式ドキュメントに書かれた一行に行き着きます。
Shopifyヘルプセンターは、自動生成される関連商品の戦略を3つ挙げたうえで、それぞれの利用条件を並べています。そのうち「商品説明」に基づく戦略について、こう書かれています。
Product description: Only available to merchants with an English storefront.
商品説明ベースのレコメンドは、英語ストアのマーチャントだけが利用できる。 日本語ストアで動いているのは、残りの2つだけです。
そしてもう一点。「よく一緒に購入される商品」に相当する補完商品(complementary products)は、そもそも自動生成されません。手動で選ぶ必要があり、上限は1商品あたり10件です。
この記事では、Shopify標準のレコメンドがどこまで自動で、どこから手作業なのか、表示されない条件は何か、そしてアプリを入れる境界線はどこかを整理します。調査日は2026年9月1日です。
先に結論
商品数が少なく、販売実績もこれからのストアは、まずShopify Search & Discoveryアプリ(無料)で補完商品を手動設定するのが先です。アプリ以前に、標準の枠を使い切っていないケースがほとんどです。
商品数が数百を超えて、1商品ずつの手動設定が現実的でないなら、メタフィールドの一括編集という標準の抜け道があります。Bulk EditorやShopify Flowからレコメンド用のメタフィールドを更新でき、その変更がSearch & Discoveryアプリと同期されます。ここまでは無料です。
「よく一緒に購入される」を購買データから自動で出したいなら、アプリの領域です。Frequently Bought Together(Code Black Belt)が無料プランを含む選択肢として現実的で、月50件の注文までなら14.99 USD/月です。
サイト全体をパーソナライズしたいなら、LimeSpot AI Bundles & Upsellsのような課金の分母が「注文数」や「収益」になるアプリになります。ただしTurboプランはShopify Plusに対応していないと明記されています。
そして、この記事で扱った主要なレコメンドアプリは、いずれも掲載ページに「このアプリは日本語に翻訳されていません」と表示されます。
Shopify標準でどこまでできるか
関連商品と補完商品は別物
Shopifyのレコメンドには2種類あり、性質がまったく違います。
関連商品(Related products)は、選択中の商品に似た商品です。ヘルプセンターは「代替候補になりうる商品を表示して、顧客が他の似た商品を見つけられるようにする」ものだと説明しています。これは自動生成されます。
補完商品(Complementary products)は、選択中の商品と一緒に買われることが多い商品です。「よく一緒に購入されている商品」として表示される枠がこれにあたります。こちらは自動生成されません。
この非対称性が、Shopifyのレコメンド設計を理解するうえで最初の分岐点になります。関連商品は放っておいても出る。あわせ買いは、自分で決めない限り一件も出ない。
自動生成の3戦略と、日本語ストアで使えないもの
ヘルプセンターは、関連商品の自動生成に用いる戦略を3つ挙げ、それぞれに利用条件を付けています。
| 戦略 | 条件 |
|---|---|
| 購入履歴(Purchase history) | 購買行動を評価するために、その商品に過去の販売実績が必要 |
| 商品説明(Product description) | 英語ストアのマーチャントのみ利用可能 |
| 関連コレクション(Related collections) | 購入履歴と商品説明による推薦が利用できない場合に使用される |
日本語ストアで実際に動くのは、購入履歴と関連コレクションの2つです。そして購入履歴は「過去の販売実績が必要」という条件付きなので、立ち上げ直後のストアや、売れ始めていない商品では、関連コレクションだけが根拠になります。
これは実務上、次のような意味を持ちます。コレクション設計がそのままレコメンドの精度になる、ということです。商品説明をどれだけ丁寧に書いても、日本語ストアではレコメンドの根拠として読まれません。一方で、コレクションの切り方は直接効きます。
なお、自動生成された推薦は編集できません。ヘルプセンターは「生成された商品レコメンドを編集することはできないが、自分の推薦を手動で追加することはできる」としています。また、生成される推薦は頻繁に変わるため、Search & Discoveryアプリでプレビューした内容と実際のストアフロントの表示が異なることは珍しくない、とも明記されています。
手動設定の上限は10件、そして1商品ずつ
Search & Discoveryアプリでの設定手順は、ヘルプセンターに次のように書かれています。商品を1つ選び、補完商品を最大10件、関連商品を最大10件選択する。関連商品については、手動の推薦だけを表示するか、手動と自動生成の両方を表示するかを選べます。
上限が10件であること自体は、多くのストアにとって不足ではないでしょう。問題は「1商品ずつ」という部分です。500商品あれば500回この操作を繰り返すことになります。
これに対する標準の解が、メタフィールドでの一括編集です。Recommendationsページで複数商品を選択してBulk Editorを開けば、まとめて設定できます。さらに、Shopify Flowなど他のアプリからメタフィールドを編集する方法も案内されています。
対象となるShopify標準メタフィールドは3つです。
- Related products: 手動で選択した関連商品のリスト。Shopifyが生成した推薦は含まれない
- Related products settings: 表示方法の制御。
only manual(選択したものだけ表示)またはahead(自動生成より前に表示) - Complementary products: 手動で選択した補完商品のリスト
これらのメタフィールドへの編集は、Search & Discoveryアプリと同期されます。つまり、レコメンドの一括設定はアプリを買わなくても実行可能です。CSVやFlowで組めるなら、ここは無料で解決できる領域です。
表示されない6つの条件
設定したのに出ない、という相談で真っ先に確認すべき箇所です。ヘルプセンターは、推薦商品が商品ページに表示される条件を明示しています。
- 売り切れていないこと(関連商品は「在庫切れでも販売を続ける」が有効なら表示可。補完商品は在庫が0より多いことが必須)
- 商品ステータスが「Unlisted(非表示)」でないこと
- 価格が0.00ドルより高いこと
- ギフトカードでないこと
- オンラインストア販売チャネルに公開されていること
- 訪問者のカートに現在入っていないこと
最後の条件は、テストのときに混乱しやすい箇所です。自分でカートに入れた状態で商品ページを見ると、その商品はレコメンドから消えます。設定ミスではありません。
また、関連商品と補完商品で在庫の扱いが違う点も見落とされがちです。「在庫切れでも販売を続ける」を有効にした商品は、関連商品としては表示されますが、補完商品としては表示されません。予約販売商品をあわせ買い枠に出したい、という要件はここで詰みます。
テーマ側の要件
レコメンドはアプリの設定だけでは表示されません。ヘルプセンターは「商品レコメンドをストアに表示するには、補完商品セクションと商品レコメンドセクションを含むテーマを使い、そのセクションを商品ページに追加する必要がある」と書いています。
補完商品はブロックとして提供され、互換性のあるテーマでのみ利用できます。そして1つの商品ページに配置できる補完商品ブロックは1つまでです。
ブロック側の設定値も上限が決まっています。表示する補完商品の最大数は1〜10、スライダー1ページあたりの表示数は1〜4、ページネーションのスタイルはドット・カウンター・数字の3種類、画像比率はポートレートまたはスクエアです。
開発側から見ると、Product Recommendations APIの仕様が対応しています。limit は1〜10で既定値は10、intent は related と complementary の2値で既定は related です。標準の枠が10件で止まっているのは、テーマ設定の都合ではなくAPIの仕様です。
統合リスティングを使っている場合
Combined Listings(統合リスティング)を使っているストアには、追加の設定項目があります。Search & Discoveryアプリの設定で、自動生成レコメンドに統合リスティングの子商品のみを表示するか、親商品のみか、両方かを選べます。既定は子商品のみです。
この設定が現れるのは、ストアに統合リスティング商品があるか、Combined Listingsアプリがインストールされている場合に限られます。
アプリが必要になる境界線
標準機能の限界を整理すると、アプリの必要性は次の3点に集約されます。
購買データからあわせ買いを自動で出したい。 補完商品は自動生成されないため、標準では手動設定しかありません。「実際に一緒に買われた組み合わせ」を自動で反映したいなら、そこを計算するアプリが要ります。
商品ページ以外にもレコメンドを出したい。 標準のレコメンドは商品ページのセクション/ブロックです。カートドロワー、サンクスページ、チェックアウトに出したいなら別の仕組みになります。
訪問者ごとにパーソナライズしたい。 標準の自動生成は商品単位で、閲覧履歴に応じた出し分けは行われません。
逆に言えば、商品ページに「似た商品」と「あわせ買い」を出したいだけなら、標準機能とメタフィールド一括編集で足ります。
レコメンドアプリ3本
Frequently Bought Together(Code Black Belt)
Built for Shopifyバッジ付き、評価4.8、レビュー1,045件(星5が989件、星1が11件)。掲載ページによれば2017年に作られたアプリです。対応言語は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語(ブラジル)、中国語(簡体字・繁体字)で、日本語には翻訳されていません。
商品ページ上に「よく一緒に購入されている商品」のバンドルを表示し、ワンクリックでまとめてカートに入れられるようにするタイプです。AIによる自動推薦に加えて、商品ごとに推薦を手動調整してバンドルを作ることもできます。バンドル割引は4種類から選べるとされています。
料金の分母は月間注文数です。
| プラン | 月額 | 条件 |
|---|---|---|
| Starter | 無料 | 最大3バンドル、基本ウィジェット設定、基本サポート |
| Professional I | 14.99 USD | 月50件までの注文。無制限バンドル、自動推薦、バンドル割引、分析、翻訳 |
| Professional II | 19.99 USD | 月500件までの注文 |
| Professional III | 39.99 USD | 月500件以上の注文 |
Professional系は14日間の無料体験付きです。無料のStarterプランは「アプリの基本機能をテスト」する位置づけで、バンドルが3つまでという制限があります。自動推薦はProfessional以降の機能です。
LimeSpot AI Bundles & Upsells(LimeSpot)
評価4.6、レビュー391件。対応言語は英語のみで、日本語には翻訳されていません。
ホームページから商品ページ、カート、チェックアウト、購入後まで、あらゆる面にレコメンドとオファーを出せるタイプです。Shopify Flow、Klaviyo、LoyaltyLion、Okendoなどとの連携が掲載ページに記載されています。
料金の分母は2種類あり、プランによって変わります。
Turboプランは注文数連動です。無料枠は月10件の注文まで。それを超えると9.99 USD/月から始まり、注文数に応じて階層が上がります。掲載ページには「250件の注文までは月額19.99ドル」という例が示されています。15日間の無料体験があります。
そしてTurboプランには重要な注記が付いています。Shopify Plusには対応していません。 無料枠と9.99 USDからの階層のいずれにも同じ注記が付いています。
Maxプランはストア収益連動で、50 USD/月から始まります。掲載ページの例では「収益が5万ドルまでの場合は月額150ドル」とされています。オーディエンスのセグメンテーション、A/B/nテスト、メールとSMSのパーソナライズ、70種類以上のアプリ連携などが含まれます。
注文数課金と収益課金が同一アプリ内で切り替わる構造なので、成長したときのコストカーブを事前に見ておく必要があります。
商品レコメンド & アップセル • ES(EcomStar)
Built for Shopifyバッジ付き、評価5.0、レビュー130件(全件が星5)。対応言語は英語のみで、日本語には翻訳されていません。
商品ページ、カート、サンクスページに、よく一緒に購入される商品や関連商品を出すタイプです。GemPagesやPageFlyとの連携が掲載ページに記載されています。
料金は2段階で、分母は月間注文数です。「永久無料」プランはすべてのアップセル・クロスセル機能とテーマに合わせたスタイル調整、Zoom・チャット・メールサポートを含むとされています。ベーシックプランは9.99 USD/月で、月50件の注文までは無料、超過分が課金される構成です。無料体験は20日間と、この3本の中では最も長く設定されています。
レビューには、Shopify標準のSearch & Discoveryアプリと併用する使い方についてサポートから説明を受けた、という趣旨のものが2026年5月26日付で1件確認できます。標準機能とアプリを排他的に考えなくてよい、という点を示す事例です。
比較表
| 項目 | Frequently Bought Together | LimeSpot AI Bundles & Upsells | 商品レコメンド & アップセル • ES |
|---|---|---|---|
| 開発元 | Code Black Belt | LimeSpot | EcomStar |
| 評価 / レビュー数 | 4.8 / 1,045 | 4.6 / 391 | 5.0 / 130 |
| Built for Shopify | あり | 記載なし | あり |
| 無料プラン | あり(最大3バンドル) | あり(月10注文まで) | あり(永久無料) |
| 有料の起点 | 14.99 USD/月 | 9.99 USD/月 | 9.99 USD/月 |
| 課金の分母 | 月間注文数 | 注文数または収益 | 月間注文数 |
| 無料体験 | 14日間 | 15日間 | 20日間 |
| 日本語UI | なし | なし | なし |
| Plus対応 | 記載なし | Turboは非対応と明記 | 記載なし |
無料プランの中身が3本とも別物である点に注意してください。Frequently Bought Togetherの無料枠は「バンドル3つまで」という機能制限、LimeSpotは「月10注文まで」という数量制限、ESは掲載ページ上「永久無料」でありながら有料プランも月50注文まで無料と書かれています。同じ「無料プランあり」という表示でも、比較の軸が揃っていません。
条件別の選び方
商品数が100以下で、あわせ買いを丁寧に設計したい
アプリは不要です。Search & Discoveryアプリで補完商品を1商品10件まで設定してください。人の判断で選んだ組み合わせは、この規模ではアルゴリズムより精度が高くなりやすい領域です。ヘルプセンターも補完商品の選び方として「元の商品より安いか同等の価格の商品を選ぶ」といった実務的な指針を挙げています。
商品数が多く、手動設定が回らない
まずメタフィールドの一括編集を検討してください。Bulk EditorまたはShopify Flow経由で Complementary products と Related products を更新できます。ここが機能するなら、月額は発生しません。
購買データに基づくあわせ買いを出したい
Frequently Bought Togetherが第一候補です。月間注文数が50件以内なら14.99 USD/月で、レビュー規模も1,000件超と実績があります。ただし日本語UIはないため、管理画面を英語で操作できることが前提になります。
商品ページ以外にもレコメンドを広げたい
LimeSpot AI Bundles & Upsells、または商品レコメンド & アップセル • ESが候補になります。Shopify Plusを使っている場合、LimeSpotのTurboプランは対象外である点を先に確認してください。
レコメンドが表示されない
アプリを検討する前に、表示条件6つを確認してください。特に「訪問者のカートに入っていない」と「補完商品は在庫が0より多いこと」の2つは、設定ミスと誤認されやすい仕様です。あわせて、使用中のテーマに補完商品ブロックがあるかどうかも確認が必要です。
導入前チェックリスト
- Search & Discoveryアプリで補完商品を設定済みか(自動生成されないことを理解しているか)
- 日本語ストアであることを前提に、コレクション設計がレコメンド精度を左右すると認識しているか
- 手動設定が必要な商品数を数え、メタフィールド一括編集で足りるか判断したか
- テーマに補完商品ブロックと商品レコメンドセクションがあるか
- 表示されない6条件を確認したか
- 検討中のアプリの課金の分母が、注文数か収益か商品数かを確認したか
- Shopify Plusを使っている場合、対象外プランがないか確認したか
- 日本語UIと日本語サポートの有無を、要件として切り分けたか
まとめ
Shopifyのレコメンドについて、2026年9月1日時点で確認できたことは4点です。
第一に、自動生成されるのは関連商品だけで、補完商品は自動生成されません。あわせ買い枠は、手動で設定しない限り空のままです。上限は1商品あたり10件です。
第二に、関連商品の自動生成に使われる3戦略のうち、商品説明ベースの戦略は英語ストアのマーチャント限定だとヘルプセンターが明記しています。日本語ストアで動くのは購入履歴と関連コレクションの2つで、販売実績のない商品では実質コレクションのみが根拠になります。
第三に、表示条件は6つあり、そのうち「訪問者のカートに入っていないこと」と「補完商品は在庫が0より多いこと」は、不具合と誤認されやすい仕様です。
第四に、主要なレコメンドアプリはいずれも日本語に翻訳されておらず、課金の分母は注文数または収益です。無料プランの中身は3本とも別の軸で制限されています。
次にやることは、Search & Discoveryアプリを開いて、補完商品を1件でも設定しているか確認することです。設定が0件なら、有料アプリの検討より先に埋めるべき枠があります。
料金と仕様は変更される可能性があります。本記事は2026年9月1日時点のShopifyヘルプセンター、Shopify.dev、Shopify App Storeの記載に基づいています。導入前に最新情報をご確認ください。
Shop Pay Installmentsは有効化無料、アプリ不要、そしてShopifyは手数料を公開していません。レートを見られるのは自社の管理画面の中だけです。加えてCapital OneとChaseのクレジットカードを受け付けず、月次プランはデビットカード限定、ギフトカードとサブスクリプション商品は対象外で、商品ごとにオン・オフを切り替えることもできません。Affirmはパスワード保護中のストア、英語以外の主要言語、主にB2Bという理由でアカウントを停止します。さらにShopifyの「Getting paid」ページは「disputeは管理画面に通知される」と書き、FAQは「管理画面には通知されない」と書いています。適格性を満たせない場合の代替はKlarna、Afterpay、Sezzle、Zip、PayPalのon-site messagingアプリで、このカテゴリーの評価は1.0〜3.2です。調査日は2026年9月2日です。