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Stockyは本日2026年8月31日で終了|標準の在庫管理に引き継げないものと、在庫アプリが必要になる境界線

Shopify純正の在庫管理アプリStockyが2026年8月31日で利用できなくなります。移行先はShopify標準の在庫管理ですが、過去の発注書と棚卸し履歴は自動移行されず、サプライヤーはエクスポートすらできません。ヘルプセンターに書かれた「標準では今も対応していないこと」を一覧にし、Prediko・Stockie・Inventory Planner by Sageの課金軸と日本語対応の差まで整理しました。調査日は2026年8月31日です。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 16#Shopifyブログ運営#アプリ比較#初心者向け

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

Shopify純正の在庫管理アプリStockyが、2026年8月31日を最後に使えなくなります。本日です。

Shopifyヘルプセンターには「Stockyアプリは2026年8月31日以降利用できなくなります。中断なく在庫管理を続けるには、Shopifyの在庫管理機能へ移行する必要があります」と記載されています。すでに2026年2月2日にApp Storeからは削除されており、再インストールもできません。

移行先はShopify標準の在庫管理です。ただし「標準に移行すれば同じことができる」わけではありません。引き継がれないデータがあり、標準では今も対応していない業務があります。しかもその一覧は、Shopify自身がヘルプセンターに明記しています。

以下では、何が消えて何が残るのかを一次情報で確定させ、そのうえで在庫アプリを検討すべき条件を整理します。調査日は2026年8月31日です。

先に結論

在庫数の増減、ロケーション間の移動、発注書の作成と入荷、調整履歴のレポートだけが必要なら、標準機能で足ります。追加費用はかかりません。

加重平均原価やランディングコスト(関税・運賃)の按分が必要なら、標準では対応していません。サードパーティ製アプリが必要です。

1商品に複数の仕入先を持ち、仕入先別SKUやリードタイム、ケース入数で発注量を計算しているなら、標準ではメタフィールドでの記録どまりです。発注計算には反映されません。

複数人で全ロケーションの棚卸しをしているなら、標準はCSVの書き出しと読み込みによる手作業になります。

そして共通の前提として、Stockyに残っている過去のデータは、今日中に手動でエクスポートしないと参照できなくなります


Stockyがどういうアプリだったか

Stockyの開発者はShopify自身です。2026年8月31日時点のApp Storeでの評価は3.1(レビュー188件)。内訳は5つ星81件に対して、1つ星が49件、2つ星が25件と、低評価が全体の約4割を占めていました。純正であることが品質を保証しないことを示す例のひとつです。

対応言語は英語のみで、掲載ページには「このアプリは日本語に翻訳されていません」と明記されていました。日本のストアでの採用が限定的だった理由の一部はここにあります。

料金は「無料インストール」ですが、Shopify POS Proサブスクリプションに付属する形でした。ヘルプセンターには、2020年5月4日より前にインストールした場合はShopifyサブスクリプションに無料で含まれる、という例外も記載されています。

つまりStockyを実運用していたのは、POS Proを契約している実店舗併設のストアが中心でした。そこで動いていたのが、需要予測、発注書、仕入先管理、棚卸し、店舗間移動という一連の業務です。


消えるデータと、消えないデータ

ヘルプセンターの移行ガイドに列挙されている注意点は、そのまま「今日中にやることリスト」になります。

期限後の扱い:2026年8月31日以降、Stockyで在庫管理はできなくなります。データをエクスポートするための読み取り専用アクセスは、その後最低90日間提供されます。

自動移行されないもの:過去の発注書や棚卸し履歴といったStockyの履歴データは、2026年8月31日以降にShopifyへ自動的に移されることはありません。記録として残したい場合は、Stockyのレポート機能で手動エクスポートする必要があります。

そもそもエクスポートできないもの仕入先(サプライヤー)はStockyからエクスポートできません。ヘルプセンターに明記されています。仕入先マスタをStockyだけで管理していた場合、別の手段で控えを取る必要があります。

インポートできないもの:過去の発注書はShopifyへインポートできません。標準の発注書CSVアップロードは「新しいドラフト発注書に商品明細を追加する」だけの機能で、過去の発注ステータス、入荷済み数量、仕入先の紐付けは取り込めません。

API:StockyのAPIは2026年8月31日に停止します。Stocky連携の外部ツールを使っている場合、その連携は同日に止まります。

移行ガイドが推奨している手順のうち、期日管理に関わるものは次の2つです。Stockyでの新規発注書の作成は8月31日の約14日前に停止し、進行中の発注はすべて受領・クローズしておく。締め切り時点で未完了の発注があれば、残数量だけをShopify側で発注書または移動として作り直す。


標準の在庫管理でできるようになったこと

移行先として案内されているShopify標準の在庫管理は、Stocky時代よりも範囲が広がっています。ヘルプセンターで確認できる範囲は次のとおりです。

  • ロケーション間の**在庫移動(transfers)**の作成・送信・受領。分納にも対応し、受領時に受け入れ数と拒否数を記録できる
  • 発注書の作成と仕入先の割り当て。仕入先通貨、支払条件(代金引換、受領時払い、Net 30など)、送料・手数料・関税の調整項目を発注書ごとに設定できる
  • 在庫調整と、変更内容・理由・実施スタッフを追跡する調整履歴
  • 在庫履歴の無制限保持とカスタムレポート
  • ビンロケーション(棚・ラック番号)の割り当て。一括編集またはCSVで設定する
  • Shopify Flowによる在庫僅少アラートの自動化
  • Sidekickへの「何を再発注すべきか」といった質問と、発注書・移動のドラフト作成

在庫の移動と発注という、Stockyの中核業務は標準側に移っています。単に「Stockyがなくなって困る」という話ではありません。


標準では今も対応していないこと

一方で、ヘルプセンター自身が「アプリの検討」を案内している箇所があります。ここが在庫アプリを検討すべき境界線です。

原価の計算方法:商品バリエーションが持つ原価は「1商品あたりのコスト」という静的な値ひとつだけです。発注書や移動を受領しても、この値は変わりません。加重平均原価や、関税・運賃・税をランディングコストとして自動配賦する処理には対応していません。ヘルプセンターは、必要な場合はサードパーティ製の原価計算アプリを使うよう案内しています。

棚卸し:Shopify POSの「クイックカウント」は、特定の商品やゾーンを素早く確認するための機能で、1セッションあたり最大1,000点です。複数人が参加する全ロケーションの棚卸しや監査対応は、在庫のCSVエクスポート → オフラインで計数 → CSVインポート、という手順で行うことになります。外部監査の要件が厳しい場合は、専用の棚卸しと承認フローを持つアプリの検討が案内されています。

仕入先まわり:1商品が持てる「ベンダー」欄は1つだけです。1商品に複数の仕入先、仕入先別SKU、リードタイム、最小発注数量、ケース入数を持たせたい場合は、バリエーションのメタフィールドやメタオブジェクトで記録します。ただしヘルプセンターには「これらのメタフィールドは参考情報を保存するもので、発注書の発注・受領の計算とは独立している」と書かれています。ケース入数から個数への換算はスタッフが手作業で行うことになります。

発注書の送付:管理画面から発注書をメール送信することはできません。PDFとしてダウンロードし、メールや調達ツールで送ります。また、顧客の注文を発注書へ変換したり、複数の発注書をマージしたりすることもできません。

レポート:仕入先別の発注総額を出す専用の標準レポートはありません。分析データをエクスポートして外部で集計します。ABC分析については、プランによってはアプリが必要になる場合があるとされています。

ビン間の移動:ビンロケーションは1ロケーションにつき1バリエーション1ビンまでで、移動機能が追跡するのはロケーション間の移動だけです。同一ロケーション内のビン間移動を記録したい場合はサードパーティ製アプリが案内されています。

API:発注書のAPIは一般提供されていません。移動のAPI(Transfers API)は利用でき、発注書の読み取りを含む新しい物理在庫APIは開発者プレビュー段階です。ERP連携を組んでいる場合、この差が実装の制約になります。


ロケーション数の上限も確認しておく

在庫アプリを検討する前に、もうひとつ確認しておく数字があります。アクティブなロケーション数の上限です。

プランアクティブロケーション数の上限
Starter2
Basic10
Grow10
Advanced10
Shopify Plus200

Basic、Grow、Advancedはいずれも10で同じです。「上位プランにすればロケーションを増やせる」という理解は、Plusに上がるまで成立しません。

補足として2点あります。非アクティブ化したロケーションは上限にカウントされません。在庫数の閲覧、移動、調整、返品受け入れは非アクティブのままでも可能です。また、ドロップシッピングアプリや3PLなど、実際に在庫を保管するアプリはロケーションとして扱われますが、こちらも上限にはカウントされません


在庫アプリを選ぶときの3つの軸

Shopify App Storeの「在庫」カテゴリには2026年8月31日時点で433個のアプリが登録されています。ただし人気順の上位はマーケットプレイス連携やERP連携、在庫同期のアプリが中心で、Stockyが担っていた需要予測・発注書・仕入先管理を代替するものとは目的が違います。カテゴリを開いて上から検討すると噛み合いません。

需要予測と発注書を扱うアプリに絞ると、課金軸が3種類に分かれます。

アプリ開発者評価(件数)日本語UI課金軸発注書が使える最低価格
Prediko Inventory ManagementPrediko4.9(234件)ありストアの年間収益月49ドル
Stockie Inventory ManagementPlutonian4.9(133件)なし機能セットの段階月59.99ドル
Inventory Planner by SageInventory Planner by Sage4.4(130件)なし個別見積もりApp Storeでは確認できず

同じ「発注書が使える最低価格」でも、到達の仕方がまったく違います。Predikoは年商10万ドル以下なら月49ドルで全機能が使えます。Stockieは月4.99ドルから始められますが、発注書機能は最上位の月59.99ドルまで上がらないと含まれません。小規模ストアではPredikoのほうが安く、機能の一部だけが必要なストアではStockieのほうが安くなります。

Prediko Inventory Management

どの課題に向くか:日本語UIが必要で、年商規模に応じた料金を許容できるストア。

AI需要予測、発注書管理、在庫移動と棚卸し、複数ロケーション・複数ストアの在庫、バンドル在庫管理が対象です。掲載ページによると対応言語は英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ヘブライ語、日本語、ロシア語、スウェーデン語、中国語(簡体字)、ポルトガル語(ブラジル)。今回比較した3本のうち日本語UIがあるのはこれだけです。

料金はストアの収益で区切られます。スターターが月49ドル(収益10万ドルまで)、スケールアップが月119ドル(50万ドルまで)、グロースが月199ドル(200万ドルまで)。収益200万ドル超はエンタープライズで、価格は問い合わせになります。14日間の無料体験があります。

注意点として、課金がストアの収益に連動するため、在庫管理の複雑さが変わらなくても売上が伸びれば費用が上がります。

Stockie Inventory Management

どの課題に向くか:まず在庫僅少アラートだけ欲しい、あるいは必要な機能だけに絞って費用を抑えたいストア。

Built for Shopifyバッジが付いています。開発者はPlutonian。対応言語は英語のみで、日本語には翻訳されていません。

料金は機能で4段階に分かれます。ベーシックが月4.99ドル(アラート5つ、最大8,000バリエーション、受信者3人、ロケーション無制限)、アドバンストが月9.99ドル(商品ごとのカスタムしきい値、Slack通知、アラート・バリエーション・受信者が無制限)、プロが月29.99ドル(予測ダッシュボード、リードタイムと安全在庫の設定、再発注日の予測)、プロプラスが月59.99ドル(発注書の作成・管理、入荷追跡、Shopify在庫の自動調整、PDF/CSVでの仕入先送付)。無料プランはなく、各プランに14日間の無料体験が付きます。

つまりStockyの中心機能だった発注書は最上位プランのみです。アラートだけなら月4.99ドルで済みますが、Stockyの代替として使うなら月59.99ドルが前提になります。

Inventory Planner by Sage

どの課題に向くか:Sage製品や外部の会計・ERPと合わせて導入を検討しているストア。

評価は4.4(130件)ですが、内訳は5つ星110件に対して1つ星が12件と、評価が二極化しています。対応言語は英語のみです。

料金面で注意が必要です。App Storeの表示は「無料インストール」ですが、掲載ページには「Shopify請求書とは別に、Inventory Planner by Sageによる外部請求がある場合があります」と明記されており、料金は「ビジネスのニーズに合わせて調整。見積もりについては問い合わせ」となっています。App Storeの掲載情報だけでは月額が確認できません。他の2本と横並びで比較するには、先に見積もりを取る必要があります。


導入前チェックリスト

  1. Stockyの完了済み発注書レポート、棚卸し履歴、過去の原価データをCSVでエクスポートしたか
  2. 仕入先情報の控えを別途取ったか(Stockyからはエクスポートできない)
  3. Stocky連携の外部ツールがあれば、代替の連携方式を決めたか
  4. StockyのPOS UI拡張タイルをスマートグリッドから削除したか
  5. 自ストアが標準機能の範囲で足りるか、原価計算・棚卸し・仕入先管理のどれで越えるかを特定したか
  6. 現在のロケーション数がプラン上限に対してどこまで来ているか
  7. アプリの課金軸が「収益」「機能セット」「見積もり」のどれか
  8. 必要な機能(多くの場合は発注書)が、そのアプリのどのプランから使えるか
  9. 日本語UIが必要な運用体制か(今回の3本中、日本語対応は1本)

まとめ

判断の順序は4つです。

  1. 今日中にStockyのデータを書き出す。読み取り専用アクセスは最低90日残るが、仕入先はそもそもエクスポートできない。
  2. 標準の在庫管理でどこまで足りるかを確認する。移動・発注書・調整・履歴レポートは標準に移っている。
  3. 越える場所を1つに特定する。原価計算か、棚卸しの規模か、仕入先の複雑さか、ビン間移動か。ヘルプセンターがアプリを案内しているのはこの4か所である。
  4. 課金軸で比較する。月額の数字ではなく、「収益連動か」「必要な機能が何ドルのプランに入っているか」で判断する。

在庫アプリは、入れれば在庫が合うようになる種類のツールではありません。標準機能で回らない業務が具体的に1つ以上ある場合にだけ、その業務を名指しして選ぶものです。まずは管理画面の商品管理 → 在庫設定 → ロケーションを開き、いま何が手作業で残っているかを書き出すところから始めてください。


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