この記事でわかること
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日本のストアから海外へ売る。あるいは海外向けの店を日本語化する。どちらの場合も最初に調べるのが翻訳です。
Shopifyのヘルプセンターには「Liteプランを除くすべてのプランで、1つのストアから最大20言語で販売できる」と明記されています。そして純正の無料アプリShopify Translate & Adaptがあります。ここまで読むと、無料で20言語に対応できそうに見えます。
実際には違います。同じヘルプセンターの別ページに、こう書かれています。
You can automatically translate a maximum of 2 languages.(自動翻訳できるのは最大2言語です)
「20言語で販売できる」と「2言語まで自動翻訳できる」は別の話です。 残りの18言語分の翻訳は、自分で用意する必要があります。この差を導入後に知るケースが多く、App Storeのレビューにもその趣旨の投稿が並んでいます。
この記事では、純正Translate & Adaptで実際にできる範囲、翻訳できないコンテンツの一覧、そして有料アプリ3本の課金軸の違いを整理します。調査日は2026年8月31日です。
先に結論
- 販売できる言語数(最大20)と、無料で自動翻訳できる言語数(2)は別物。 3言語目以降は手動翻訳かCSVインポート、または有料アプリが必要です。
- 自動翻訳は自動更新されない。 新商品を追加するたび、各言語でアプリに戻ってAuto-translateを実行し直す必要があります。
- 翻訳できないコンテンツがある。 タグ、コレクションフィルター、商品画像、Shopify Formsで作ったフォームなどは対象外です。
- 有料3本の課金軸はすべて違う。 Weglotは翻訳語数×言語数、langifyは言語数+AI翻訳の無料語数枠、Transcyは言語数×通貨数×月次AIトークン数です。
- 日本語の管理画面があるのは純正とTranscyの2本のみ。 Weglotは英語のみ、langifyは独英伊仏西のみです。
Shopifyが標準で用意している部分
翻訳アプリを比較する前に、アプリなしで動いている部分を確認します。ヘルプセンターに記載されている標準機能は次のとおりです。
言語別URLの自動生成。 言語を公開すると、翻訳済みページごとに固有のURLが作られます。主要ドメインが example.com でフランス語とドイツ語を公開すると、example.com/fr と example.com/de になります。サブドメイン形式や、国際ドメイン機能による別ドメイン運用も選べます。
hreflangタグの自動付与とサイトマップへの収録。 言語別URLにhreflangタグが自動で付き、公開済みの全言語がサイトマップに含まれます。多言語SEOの土台部分は、アプリなしで整います。
チェックアウトの33言語プロ翻訳。 チェックアウト、Cookieバナー、プライバシーポリシー、データ販売オプトアウトページ、Shopify製テーマのデフォルト文言について、日本語を含む33言語のプロ翻訳が用意されています。顧客が閲覧している言語でチェックアウトが表示され、注文確認メールもその言語で届きます。
CSVによる翻訳のインポート・エクスポート。 アプリを使わず、CSVで翻訳を投入できます。ただしヘルプセンターは「翻訳内容は自分で用意する必要があり、CSVの書き出し・読み込みで翻訳が生成されるわけではない」と明記しています。
URLスラッグの翻訳。 /products/chair を /produkte/stuhl にできます。ただし products の部分は翻訳できず、マーケット別にカスタマイズすることもできません。
要件としては、Basicプラン以上、多言語対応テーマ(Shopifyの無料テーマはすべて対応)、テーマに言語セレクターがあること、が挙げられています。言語セレクターはテーマ側の機能であり、Translate & Adaptアプリには含まれません。 使っているテーマにセレクターがない場合は、別途アプリで追加する必要があります。
Translate & Adaptでできること・できないこと
純正のShopify Translate & Adaptは、2026年8月31日時点のApp Storeで評価4.5(レビュー1,397件)です。開発元はShopify、料金は無料、日本語を含む21言語の管理画面に対応しています。Built for Shopifyバッジは付いていません。
自動翻訳は2言語まで
ヘルプセンターの記載は「最大2言語」です。App Storeのリスティング側は「Auto-translate 2 languages with Google Translate」と書かれており、手動翻訳は無制限に追加できると説明されています。
なお、翻訳エンジンの提供元について、2つの公式情報の記載が食い違っています。 App Storeリスティングは「Google Translate」、ヘルプセンターは「Automatic translations are provided by AI translations from Shopify」としています。どちらが現行の実装かは公開情報からは判断できません。翻訳品質を評価する際は、実際の出力を確認するのが確実です。
2026年8月2日のレビュー(Made Without、ラトビア、約2年利用)は、自動翻訳が2言語だけで、それ以上翻訳する方法が見つからず、上限に達するまでどこにも書かれていないという趣旨を投稿しています。
自動翻訳は自動更新されない
運用コストに直結するのがこの仕様です。ヘルプセンターには、新しいコンテンツ(たとえば新商品)を追加した場合、各言語についてアプリへ戻り、再度Auto-translateをクリックする必要がある、と記載されています。
商品を追加するたびに手作業が発生します。 週に何点も新商品を出すストアでは、この作業が積み上がります。逆に、商品の入れ替えがほとんどないストアなら気になりません。ここが純正で足りるかどうかの実質的な分かれ目です。
なお、手動で追加・編集した翻訳がAuto-translateで上書きされることはありません。重要な文言を人手で直したあとに自動翻訳を再実行しても、その修正は残ります。
翻訳できないコンテンツ
ヘルプセンターに明記されている対象外は次のとおりです。
- タグ(商品タグ、記事タグ、ブログタグ)
- コレクションフィルター
- Shopify Formsで作成したフォーム
- 手動決済方法の説明文
- 商品画像
- Shopifyのtranslatable resource typeまたはstorefront locale fileとしてホストされていない、サードパーティアプリのコンテンツ
- ポリシー(自動翻訳の対象外。手動翻訳のみ可能)
タグとコレクションフィルターが翻訳できない点は、絞り込み設計に直結します。タグをベースにフィルターを組むと、翻訳版のストアで崩れます。この論点はShopify Search & Discoveryは無料なのに評価2.7でも扱いました。多言語展開を前提にするなら、フィルターは最初からメタフィールドで組むべきです。
SEO関連では、商品のメタタイトル・メタディスクリプションがデフォルト設定のままなら翻訳の対象外になります。デフォルトでは商品タイトルと説明文から自動生成され、翻訳版のタイトル・説明文が自動的に使われるためです。カスタマイズしている場合は個別に翻訳できます。
知らないと事故になる仕様
- デフォルト言語を変更すると、切り替え先の言語の既存翻訳がすべて削除されます。 英語から日本語にデフォルトを変えると、それまでの日本語翻訳が消えます。ヘルプセンターは変更前のエクスポートを推奨しています
- 言語を非公開にすると、その言語のURLは404になります。 ヘルプセンターはリダイレクトの作成を推奨しています
- 言語を削除すると、その言語の翻訳が完全に削除されます
- アプリをアンインストールしても翻訳データは削除されません(翻訳データはShopify側に保持されます)
- Translate & Adaptアプリで翻訳できない言語が14件あります(ベンガル語、セブアノ語、コルシカ語、フリジア語、ハイチ・クレオール語、ハワイ語、モン語、ラテン語、ニャンジャ語、オリヤー語、サモア語、スコットランド・ゲール語、ソト語、タガログ語)
有料アプリに移る境界線
以下に当てはまるなら、純正の範囲を超えています。
- 自動翻訳したい言語が3つ以上ある
- 新商品の追加頻度が高く、翻訳の再実行を手作業でやりたくない
- サードパーティアプリが出力する文言も翻訳したい
- 用語集(グロッサリー)で商品名やブランド用語の訳を統一したい
- 画像内のテキストをローカライズしたい
- DeepLやOpenAIなど、翻訳エンジンを自分で選びたい
逆に、対象が1〜2言語で、商品の入れ替えが少ないストアなら、純正のままで追加コストはゼロです。
有料アプリ3本の比較
2026年8月31日時点のShopify App Storeリスティングに基づきます。料金は変更されることがあるため、導入前に最新の表示を確認してください。
| 項目 | Weglot: AI Translation & SEO | langify ‑ translate your store | Transcy: AI Language Translate |
|---|---|---|---|
| 開発元 | Weglot(フランス) | langify GmbH & Co. KG(ドイツ) | FireGroup(ベトナム) |
| 評価(件数) | 4.5(788) | 4.7(680) | 4.5(2,488) |
| Built for Shopify | なし | なし | あり |
| 日本語の管理画面 | なし(英語のみ) | なし(独英伊仏西) | あり |
| 課金軸 | 翻訳語数 × 言語数 | 言語数 + AI翻訳の無料語数枠 | 言語数 × 通貨数 × 月次AIトークン |
| 無料プラン | あり(1言語/2,000語) | あり(最大5言語/手動翻訳は無制限) | あり(1言語/1通貨、語数・PV上限なし) |
| 有料の下限 | $17/月(1言語/10,000語) | $17.50/月(最大20言語/10,000語) | $14.90/月(1言語/AIトークン150) |
| 中位プラン | $32/月(3言語/50,000語) | $29.95/月(50,000語) | $29/月(3言語/3通貨/AIトークン300) |
| 上位プラン | $87/月(5言語/200,000語) | $59.95/月(200,000語) | $69/月(15言語/15通貨/AIトークン500) |
| 無料トライアル | 14日 | 記載なし | 7日 |
比較表から読み取れること
第一に、Weglotだけ「語数」で上限が決まります。 これはコンテンツ量が増えるほど効いてきます。2026年8月6日のレビュー(DVM International、オランダ、5か月利用)では、技術ページやブログ、多言語コンテンツが増えた結果として現行プランの枠を超え、標準の上位プランは大幅に高額だったためカスタムプランを個別に組んでもらった、という経緯が書かれています。同レビューには、翻訳語数の最適化について助言を受けたという記述もあります。商品数ではなくテキスト量で課金される点は、ブログを運用するストアにとって重要な違いです。
また、Weglotのリスティングには「External charges may be billed by Weglot separately from your Shopify invoice.」と記載があります。Shopifyの請求とは別建てで請求される可能性があります。 アプリ費用をShopifyの明細で一元管理している場合、見落としの原因になります。この構造はShopifyアプリの料金はなぜ見積もりとずれるのかで扱った論点と同じです。
第二に、langifyの無料プランは最大5言語まで使えます。 リスティングの無料プラン欄に記載されているのは「Unlimited manual translations」「Up to 5 languages」「Basic support」「AI Chatbot」の4項目で、AI翻訳の無料語数枠は有料プランから登場します。 純正の「自動翻訳2言語」より言語数の枠は広いものの、無料の範囲で自動翻訳がどこまで使えるかはリスティングからは読み取れません。翻訳を自前で用意できる体制があるなら、費用をかけずに5言語まで運用できる構成です。有料プランでは最大20言語に広がり、AI翻訳の無料語数枠(10,000〜200,000語)と割引率が上がります。従量課金部分の単価はリスティングに記載がないため、開発元での確認が必要です。
第三に、Transcyは無料プランの説明に「No word and pageview limit」と明記しています。 代わりに言語数・通貨数・月次AIトークン数で区切られる構成です。なおこの文言は無料プラン欄にのみ記載されており、有料プランの各欄には同じ記述がありません。無料プランは1言語・1通貨で語数制限なし。上位のContinental($69/月)で15言語・15通貨・AIトークン500まで広がり、DeepL・OpenAI・Gemini用のAPIキーを自分で設定できるようになります。翻訳エンジンを選びたい場合、この構成が唯一の選択肢になります。
第四に、Built for Shopifyバッジを取得しているのはTranscyだけです。 純正のTranslate & Adaptにもバッジは付いていません。バッジが保証していない範囲は別途整理していますが、この分野では足切りに使えません。
第五に、日本語の管理画面があるのはTranscyだけです。 Weglotのリスティングの対応言語欄は英語のみ、langifyはドイツ語・英語・イタリア語・フランス語・スペイン語です。日本のストアで、翻訳作業を社内の非英語話者が担当する場合、実質的な選択肢は純正かTranscyになります。
ケース別の判断
英語1言語だけ追加したい
純正のTranslate & Adaptで十分です。 自動翻訳の2言語枠に収まり、費用はかかりません。まずこれで運用し、商品追加のたびの再実行が負担になった時点で移行を検討するのが合理的です。
3言語以上を自動翻訳したい
純正では対応できません。言語数だけが要件なら、Transcyの$29/月(3言語)または$69/月(15言語)が候補です。Weglotは$32/月で3言語ですが、語数上限50,000語が別途かかります。
ブログ記事が多い、テキスト量が多い
Weglotの語数課金は不利に働きます。 テキスト量がそのまま上限に効くためです。langifyかTranscyのほうが、コストがコンテンツ量に連動しにくい構造です。
翻訳を社内で用意でき、費用を抑えたい
langifyの無料プランが最大5言語まで対応し、手動翻訳は無制限です。あるいは純正アプリ+CSVインポートでも同じことができ、こちらは追加アプリ不要です。CSVは管理画面の設定>言語からエクスポートし、翻訳を書き込んで読み込みます。
日本語の管理画面が必須
純正のTranslate & AdaptかTranscyの2択です。
翻訳エンジンを選びたい
TranscyのContinentalプラン($69/月)でDeepL・OpenAI・Gemini用のAPIキーを設定できる旨がリスティングに記載されています。他の2本には同等の記載がありません。
導入前チェックリスト
- 販売したい言語数と、自動翻訳が必要な言語数を分けて数えた
- 3言語目以降を手動翻訳またはCSVで用意できる体制があるか確認した
- 新商品の追加頻度と、自動翻訳の再実行にかかる手間を見積もった
- タグとコレクションフィルターが翻訳対象外である前提で、フィルターをメタフィールドで設計した
- 商品のメタタイトル・メタディスクリプションをカスタマイズしているか確認した(デフォルトのままなら翻訳不要)
- 使っているテーマに言語セレクターがあるか確認した
- デフォルト言語を変更する予定がある場合、事前に翻訳をエクスポートした
- サードパーティアプリの文言を翻訳する必要があるか確認した
- 有料アプリを検討する場合、自ストアの総テキスト量(語数)を概算した
- Shopifyの請求とは別建てで課金されるアプリがないか確認した
まとめ
多言語展開の判断は、「何言語売れるか」ではなく「何言語を、どうやって翻訳し続けるか」で決まります。
- 20と2の差を最初に理解する。 販売可能言語は最大20、無料の自動翻訳は最大2です。
- 翻訳の更新をどう回すか決める。 自動翻訳は自動更新されません。商品追加のたびの手作業が現実的かどうかが分岐点です。
- 翻訳できないものを設計に織り込む。 タグとコレクションフィルターは翻訳されません。フィルターはメタフィールドで組みます。
- 有料アプリは課金軸で選ぶ。 語数、言語数、AIトークン数のどれで課金されるかで、同じストアでも年間コストが変わります。
- まず1〜2言語を純正で運用してから決める。 実際の運用負荷を測ってからのほうが、必要な機能が具体的になります。
すべての数値は2026年8月31日時点のShopifyヘルプセンターおよびShopify App Storeのリスティング表示に基づきます。仕様と料金はいずれも変更される可能性があるため、導入前に一次情報での再確認をおすすめします。
Shop Pay Installmentsは有効化無料、アプリ不要、そしてShopifyは手数料を公開していません。レートを見られるのは自社の管理画面の中だけです。加えてCapital OneとChaseのクレジットカードを受け付けず、月次プランはデビットカード限定、ギフトカードとサブスクリプション商品は対象外で、商品ごとにオン・オフを切り替えることもできません。Affirmはパスワード保護中のストア、英語以外の主要言語、主にB2Bという理由でアカウントを停止します。さらにShopifyの「Getting paid」ページは「disputeは管理画面に通知される」と書き、FAQは「管理画面には通知されない」と書いています。適格性を満たせない場合の代替はKlarna、Afterpay、Sezzle、Zip、PayPalのon-site messagingアプリで、このカテゴリーの評価は1.0〜3.2です。調査日は2026年9月2日です。