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Shopifyの「Buy X Get Y」は特典を自動でカートに入れない|ヘルプセンターが明記する仕様と、Functionsに行追加オペレーションが存在しない理由、無料ギフトアプリ5本の比較

「5,000円以上のお買い上げでサンプルをプレゼント」をShopify標準のBuy X Get Y割引で作ると、顧客が自分で特典商品をカートに入れない限り何も起きません。これは設定ミスではなく仕様です。Shopifyヘルプセンターは「無料または割引対象のget商品が自動でカートに追加されることは決してありません」と明記しています。さらに技術的にも、Shopify FunctionsのDiscount APIには「カートに行を追加する」オペレーションがスキーマ上存在しません。加えてPlus以外のプランでは、Buy X Get Y対象商品に他の商品割引が一切乗らないという併用制限もあります。無料ギフトアプリ5本を、注文数課金・日本語対応・無料枠の実用性で比較しました。調査日は2026年9月1日です。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 17#SEO・アクセス改善#アプリ比較#Shopifyブログ運営

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

「5,000円以上お買い上げでサンプルをプレゼント」。よくある施策です。Shopifyの管理画面で「Buy X get Y」の割引を作り、最低購入金額を5,000円、特典にサンプル商品を指定して100%オフ。設定は5分で終わります。

そして、何も起きません。

顧客がサンプル商品を自分でカートに入れない限り、特典は発生しないからです。これは設定ミスではありません。Shopifyヘルプセンターは、Buy X get Y割引の注意事項として次のように明記しています。

Customers must add all items to their cart manually. The free or discounted "get" item is never automatically added to the cart.

「顧客はすべての商品を手動でカートに追加する必要がある。無料または割引対象の"get"商品が自動でカートに追加されることは決してない」。自動割引ページにも同じ趣旨が書かれています。Shopifyの割引機能は、カートの中身を変える機能ではなく、確定したカートに値引きを配分する機能なのです。

この記事では、なぜ技術的にそうなっているのかを開発者ドキュメントから確認し、標準機能で無理に実現しようとしたときに何が壊れるのかを整理したうえで、無料ギフトアプリ5本を同じ軸で比較します。調査日は2026年9月1日、料金はすべてShopify App Store掲載のUSD表記です。

先に結論

特典商品をカートに自動で入れたいなら、アプリ以外の選択肢はありません。 これは好みの問題ではなく、Shopifyの割引レイヤーの設計上そうなっています。理由は後述します。

顧客が自分で特典をカートに入れる導線を作れるなら、標準のBuy X get Yで足ります。100%オフ(Free)は標準機能で設定できます。ただし後述する併用制限に引っかかります。

コストを最優先するなら、Sales Motivator ‑ Free Giftsです。月0〜30注文が無料、$9.99で月100注文、$19.99で注文数無制限。今回比較した中で突出して安価です。

日本語UIで運用したいなら、BOGOS: Free Gift Bundle UpsellかGift Boxです。EG Auto Add to Cart Free Gift、Sales Motivator、USOはいずれも英語のみで、開発元も日本語サポートを提供していないと明記しています。

複数のギフトキャンペーンを同時に走らせる予定があるなら、25という数字を先に確認してください。Shopifyストアで有効化できる自動割引は最大25個で、これにはアプリ由来の割引も含まれます。

Shopify標準割引でできること

まず、できることを正確に押さえます。

Buy X get Y割引は、「Customer buys」で最低数量または最低購入金額を条件にし、「Customer gets」で対象商品と数量、割引値を指定します。割引値は Percentage、Amount off each、そして Free から選べます。つまり100%オフ自体は標準機能で可能です。ここでつまずく人はあまりいません。

1注文あたりの適用回数に上限を設定でき、割引コード方式と自動割引方式の両方に対応します。適用対象は全顧客、特定顧客、顧客セグメント、Marketsで絞り込めます。

Buy対象とGet対象が同じ商品やコレクションの場合、顧客が選んだうち安いほうが割引対象になります。

Shopifyの標準割引タイプは、Amount off discounts、Buy X get Y discounts、Free shipping discountsの3種類のみです。ヘルプセンターは、段階的な割引や複数条件を組み合わせた割引、カスタムの適用条件が必要な場合はApp Storeのアプリ、またはShopify PlusのCheckout Blocksを使うよう案内しています。

なぜ自動でカートに入らないのか

ここが本題です。「いつか対応するのでは」と期待して待つ判断をしないために、技術的な理由を確認しておきます。

Shopify FunctionsのDiscount APIリファレンスを見ると、CartLinesDiscountsGenerateRunResult が返せるオペレーションは次の4つだけです。

  • enteredDiscountCodesAccept — 入力された割引コードを受理する
  • enteredDiscountCodesReject — 拒否してメッセージを返す
  • orderDiscountsAdd — 注文割引を適用する
  • productDiscountsAdd — 商品割引を適用する

「カートに新しい行を追加する」オペレーションが、スキーマ上そもそも存在しません。 Discount Functionができるのは、既に存在するカート行に対して割引を配分することだけです。

「では Cart Transform Function なら」と考えたくなりますが、こちらも同様です。Cart Transformができるのは3つ。バンドル商品を展開して中身を表示する、複数のカート行を1行に統合する、既存の行の価格・タイトル・画像の見せ方を上書きする。いずれも既存の行が前提で、無からギフト行を生む用途には使えません。しかも lineUpdateupdate のオペレーションは開発ストアまたはShopify Plus限定です。

チェックアウトでのFunctionsの実行順序も裏付けになります。Cart Transform が最初に走り、次にDiscount Function(カート行の割引)、その後にフルフィルメント制約、配送、配送割引、決済カスタマイズ、バリデーションと続きます。Discount Functionが動く時点で、カートの中身は既に確定しているという設計です。

なお、Shopifyが「Functionは行を追加できない」と一文で否定しているわけではありません。上記はスキーマに該当オペレーションが用意されていないことと、ヘルプセンターの「顧客が自分でカートに入れる必要がある」という記述から導かれる結論です。

標準機能で押し切ろうとすると何が壊れるか

自動追加を諦めて、「特典商品をカートに入れてください」と案内する運用もありえます。その場合に注意すべき制約が3つあります。

特典対象商品には他の商品割引が一切乗りません。 Shopify Plus以外の全プランで、Buy X get Y割引の対象になっている商品は、それ以上の商品割引の対象外になります。さらに顧客が割引コードを入力した場合、全体として最も有利な割引が適用されるため、Buy X get Yのほうが外れることがあります。ヘルプセンターは「the Buy X get Y discount is removed and only the discount code applies」と書いています。セール期間中にギフト施策を重ねると、意図しない挙動になります。Shopify Plusでは、customer-gets商品に同一ラインアイテムでの商品割引を併用できます。

特典商品の在庫が0になると、施策が止まります。 ヘルプセンターは、無料商品の在庫がゼロになると sold out と表示され、顧客が特典を受け取れなくなると明記しています。ノベルティを在庫管理外にしていると、ここで詰みます。

有効な自動割引は最大25個です。 これはアプリ由来の割引を含む数字です。同様に、1ストアで有効化できるdiscount functionも最大25個で、すべて並行実行され互いの存在を認識しません。キャンペーンを積み上げていくと、この上限が先に来ます。

その他、押さえておくべき仕様をまとめます。割引の適用順序は商品割引、注文割引(商品割引適用後の小計に対して)、配送割引の順です。割引は自動的には併用されず、各割引で Combinations の設定が必要です。顧客が1注文で使える割引コードは、productまたはorderクラスが最大5個、shippingクラスが1個までです。$0または0%の割引は正しく動作しない可能性があり、最低でも$0.01または1%が推奨されています。また、管理画面で作成したBuy X get Yは、チェックアウトのpost-purchaseページには適用されません。

アプリは何をしているのか

無料ギフトアプリの実装は2階建てです。ストアフロント側でギフト行をカートに追加し、割引レイヤーでその行を$0にする。EG Auto Add to Cart Free Giftのリスティングには「アプリのShopify FunctionまたはShopifyディスカウントを使用して特典を割引」と明記され、データアクセス欄にShopify Functionsが含まれています。Functionは行を追加する側ではなく、追加された行を値引きする側で使われている、ということです。

ここで気になるのがプラン要件ですが、Shopifyの開発者ドキュメントは明確です。App Storeで配布される公開アプリに含まれるFunctionsは、どのプランのストアでも利用できます。 Shopify Plusが必要になるのは、Function APIを含むカスタムアプリを自作する場合だけです。つまり、無料ギフトアプリを入れる分にはPlusは不要です。

無料ギフトアプリ5本の比較

すべて2026年9月1日時点のShopify App Store掲載情報です。

アプリ開発元評価(件数)BFS無料プラン最低有料課金軸日本語UI
BOGOS: Free Gift Bundle UpsellBOGOS5.0(4,111)あり生涯30件$29.99/月無料注文数あり
EG Auto Add to Cart Free Gift5065.0(1,008)ありなし$14.99/月ルール数なし
Gift BoxDigismoothie4.9(211)あり開発ストアのみ$29.99/月月間注文数あり
Sales Motivator ‑ Free GiftsSingleton software4.9(148)あり月30件$9.99/月月間注文数なし
USO: Ultimate Special OffersOrbit4.6(367)なし月10件$9/月+1%従量課金なし

この表から読み取れることが4つあります。

第一に、課金軸が3種類に分かれます。 BOGOSは「無料ギフトが付いた注文の件数」、Gift BoxとSales Motivatorは「ストア全体の月間注文数」、EG Autoは「同時に有効化できるルールの数」、USOは「割引やアップセルが付いた注文の1%」。同じ「月$30」でも、意味するものがまったく違います。月間1,000注文のうちギフト付きが50件のストアなら、BOGOSの課金軸が有利です。逆にギフト施策を全注文に適用するなら、注文数課金のほうが読みやすくなります。

第二に、Sales Motivatorのコスト効率が突出しています。 無料プランが月0〜30注文、スターター$9.99が月31〜100注文、Advanced $19.99が月間注文数無制限。使用量の追加料金もありません。BOGOSのBasic $29.99が月300件の無料注文(超過$0.05/件)、Gift BoxのGrowth $29.99が月0〜100注文であることと比べると、価格差は明確です。ただしSales Motivatorは英語のみで、開発元は日本語での直接サポートを提供していないと明記しています。

第三に、「無料プラン」の意味が3通りあります。 Sales Motivator(月30注文)とUSO(月10注文)は本番ストアで使える枠です。BOGOSの無料プランは「BOGOS経由の無料注文が生涯30件」で、月ではなく累計です。Gift Boxの無料プランは「トライアルストア・開発ストア向け」と明記されており、本番では使えません。EG Autoには無料プランがなく、5日間のトライアルのみです。

第四に、プラン制限がShopifyプランと連動しているアプリがあります。 BOGOSのBasic $29.99は「Shopify Basicストア専用」、Grow $49.99は「Grow/Shopify/Professionalストア専用」、Plus $109.99は「Shopify Plusストア専用」と明記されています。Shopifyのプランを上げると、アプリの月額も自動的に上がる構造です。EG Autoのエンタープライズ$49.99も、チェックアウトでコードを入力して無料ギフトを獲得する機能がShopify Plus限定です。

各アプリの補足

BOGOS: Free Gift Bundle Upsell

開発元はBOGOS(旧 Free Gifts by Secomapp)。2014年12月17日公開、評価5.0(4,111件)、Built for Shopifyバッジ付き。掲載言語に日本語が含まれます。

無料プランはBOGOS経由の無料注文が生涯30件まで。BOGO、Buy X Get Y、購入特典に加え、クラシックバンドル、ミックス&マッチ、ボリュームディスカウント、Frequently Bought Together、サンキューページアップセル、リアルタイム分析が含まれます。無料枠にしては機能が広い構成です。

有料はBasic $29.99(月300件の無料注文、超過$0.05/件)、Grow $49.99(月600件)、Plus $109.99(月2,000件)。年額なら20%オフ、有料プランはすべて7日間無料トライアルです。連携先にチェックアウト、Shopify POS、Shopify Flow、Headless(Hydrogen)が掲載されています。

レビュー数4,111件はこのカテゴリで最多で、Shopify Flow連携やHeadless対応まで含めて選ぶなら有力です。

EG Auto Add to Cart Free Gift

開発元は506(ロンドン)。2019年12月2日公開、評価5.0(1,008件)、Built for Shopifyバッジ付き。英語のみで、開発元は日本語での直接サポートを提供していないと明記しています。

無料プランはありません。 スタンダード$14.99(同時有効ルール最大3個)、アンリミテッド$29.99(ルール無制限、コレクション・商品タグトリガー、タグ・購入金額・購入履歴・B2Bターゲティング、ジオターゲティング、メール用マジックリンク)、エンタープライズ$49.99(チェックアウトでコード入力、Shopify Plus限定)。全プラン5日間無料トライアル。年額で25%オフ。

特徴は月間注文数と売上に上限がないことです。ルール数だけで課金されるため、注文数が多く、ギフト施策の種類が少ないストアではコストが安定します。カート小計・数量・特定商品をトリガーにでき、自動追加とポップアップを選べ、開始終了日のスケジュール設定と在庫切れアラートも備えます。

Gift Box

開発元はDigismoothie(プラハ)。2019年4月9日公開、評価4.9(211件)、Built for Shopifyバッジ付き。掲載言語に日本語が含まれますが、開発元は日本語での直接サポートを提供していないと明記しています。

料金は月間のオンラインストア注文数で決まります。Growth $29.99(月0〜100件)、Scale $49.99(101〜500件)、Advanced $79.99(501〜1,000件)。使用量の追加料金はありません。年額なら17%オフ、3日間無料トライアルに加えて60日間の返金保証が付きます。無料プランはトライアルストア・開発ストア向けです。

全プラン共通で、無料ギフト無制限、4種のオファー形式(金額しきい値、商品指定、送料無料、BOGO)、カートへの自動追加、Buy X Get Y、多言語対応が使えます。プランによる機能差がなく、注文数だけで階段が組まれている点は比較しやすい設計です。

Sales Motivator ‑ Free Gifts

開発元はSingleton software(スロバキア)。2020年3月30日公開、評価4.9(148件)、Built for Shopifyバッジ付き。英語のみ、日本語サポートなし。

無料プランは月0〜30注文で、無制限の無料ギフト、カートへの自動追加、Buy X Get Y、詳細条件、多言語対応、チャット・メールサポートまで含まれます。スターター$9.99が月31〜100注文、Advanced $19.99が月間注文数無制限。使用量の追加料金なし。有料は14日間無料トライアル、年額で25%オフ。

連携先にチェックアウト、Currencies、Markets、Translate & Adapt、Translationsが掲載されています。多言語・多通貨のストアでの運用を想定した構成です。

月100注文を超えても$19.99で済むという価格設計は、他4本と比べて明確に安価です。英語UIを許容できるかが判断の分かれ目になります。

USO: Ultimate Special Offers

開発元はOrbit(バンクーバー)。2015年10月28日公開、評価4.6(367件)。今回比較した5本で唯一Built for Shopifyバッジがありません。

無料プランは月10件の割引・アップセル付き注文まで。Ultimateプランは**$9/月+割引またはアップセルが付いた注文につき1%の従量課金**(1注文あたり上限$10)。14日間無料トライアル。

BOGO、バンドル、アップセル、数量割引、ギフト、目標設定など9種類のオファータイプを持つ汎用プロモーションアプリで、無料ギフト自動追加の専用ツールではありません。Shopify POS連携が掲載されている点は他と異なります。

従量1%という課金は、平均注文単価が高いストアでは割高になります。AOV 20,000円で月200件のギフト付き注文なら、1%は月40,000円相当です。導入前に自店のAOVで試算してください。

導入前チェックリスト

  • 特典商品を自動でカートに入れる必要が本当にあるか。「カートに追加してください」の案内で成立するなら、標準のBuy X get Yで足りる
  • ギフト施策の期間中に、他のセールや割引コードを併用する予定があるか。Plus以外では Buy X get Y対象商品に他の商品割引が乗らない
  • 特典商品の在庫をどう管理するか。在庫0で施策が止まる
  • 同時に走らせる自動割引の数。アプリ由来を含めて25個が上限
  • 課金軸が自店の注文構成に合っているか。ギフト付き注文の件数課金か、ストア全体の注文数課金か、ルール数課金か、従量課金か
  • 月間注文数が増えたときの費用を試算したか。特にUSOの1%従量は高AOVで効いてくる
  • Shopifyプランを上げる予定があるか。BOGOSはShopifyプランと連動して月額が変わる
  • 管理画面が英語でも問題ないか。日本語UIがあるのはBOGOSとGift Boxのみで、いずれも日本語での直接サポートは提供されていない
  • 無料プランが「月次」か「累計」か。BOGOSの無料枠は生涯30件

まとめ

判断の順番は次の4つです。

  1. 自動追加が必要かを先に決める。 不要ならアプリを入れずに標準のBuy X get Yで完結します。ただし併用制限と在庫の扱いは確認してください
  2. 必要なら、アプリ以外の道はないと割り切る。Shopifyの割引レイヤーはカートに行を追加する設計になっておらず、これは近い将来に変わる類のものではありません
  3. 課金軸を自店の数字に当てはめて試算する。 「月$29.99」という表示だけで比較すると、注文数が伸びたときに大きくずれます
  4. 無料トライアル中に、他の割引と併用したときの挙動を必ず確認する。 割引コードを入れた瞬間にギフトが外れる、という事故はここでしか見つかりません

なお、App Storeの料金・評価・バッジは変更されます。この記事の数値は2026年9月1日時点の掲載内容であり、導入前には各アプリのページで最新の情報をご確認ください。

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