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Shopifyにギフトレジストリ機能は無い|課金の分母は「アクティブなレジストリ数」なのに、その定義を書いているアプリが1本も無い

ウェディングレジストリとは、アカウント所有者ではない誰かが商品を買い、買った本人が入力していない住所へ配送され、2人のゲストが同じミキサーを買わないようにリストが更新される仕組みです。Shopify管理画面にはそのどの部分もありません。2026年9月2日時点で米国版Shopify App Storeのギフトレジストリアプリ5本の料金を確認したところ、「25レジストリ」という同じ容量を3社が揃って15ドルで売っていました。一方で250レジストリの価格は、従量課金かどうかで月29ドルから99ドルまで開きます。そして登録者の自宅住所をギフト送り主から隠す住所マスキングを明記しているリスティングは1本だけ、しかも月99ドルのプランです。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 14#Shopifyブログ運営#アプリ比較#初心者向け

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

ギフトレジストリは、名前の綺麗なウィッシュリストではありません。ウィッシュリストでは起きないことが3つ必要です。アカウント所有者ではない人が商品を購入し、購入者が入力していない住所へ配送され、次のゲストが見たときに「そのミキサーはもう埋まっている」とリストが減っていることです。

Shopify管理画面はそのどれもしません。レジストリという概念がなく、購入を他人のリストへ紐づける手段もなく、購入者が目にしていない住所へ注文を配送する仕組みもありません。Shopify自身のApp Storeが、Store management配下に Gift registry というカテゴリを持っていること自体が、この機能がプラットフォームに無いことの最も明確な表明です。

実際に買っているものは何か

アプリが必要だと受け入れたあと、次の問いは「アプリは何に対して課金しているのか」です。ここはこのカテゴリでは珍しく一貫していて、確認した5本のうち4本が同じものを分母にしています。アクティブなレジストリ数です。

一見自明に見えて、自明ではありません。8月の結婚式に向けて3月に作られたレジストリは5か月間アクティブです。登録者が2商品だけ追加して放置したベビーレジストリも、おそらくアクティブです。読んだ5本のリスティングのどれも、レジストリがいつカウント対象から外れるのかを定義していません。そして「今月作られた」と「まだ開いている」の差は、そのままプラン1段分の差になります。

15ドルで買えるものを、3社分並べます。

アプリプラン含まれるアクティブレジストリ数超過分
Gift Reggie: Gift RegistryEssentials 月15ドル2525を超えると1件あたり月0.60ドル
Swym Gift Lists and RegistriesStarter 月15ドル25リスティングに記載なし
Little Registry: Gift RegistryBasic 月15ドル2525を超えると1件あたり月0.80ドル、7日間の猶予あり

数値はすべて各アプリのShopify App Storeリスティング(USロケール、2026年9月2日確認)から取得。

独立した3チームが、同じ容量に同じ価格を置きました。談合ではなく、カテゴリが成熟して全員が同じ競合をベンチマークするとこうなります。同時にこれは、低価格帯では価格が差別化要因ではないという意味でもあります。差がつくのは機能です。

そしてその上では、価格が一気に差別化要因になります。

250レジストリでは29ドルから99ドルまで開く

各リスティングの料金表を、アクティブ250レジストリまで自分で伸ばしてみます。レジストリを本気で告知しているホームウェアやベビー系ブランドなら、十分あり得る年間規模です。

  • Gift Reggie: Gift Registry — Expertプラン月40ドルに100件が含まれ、超過分は1件あたり月0.10ドル。150件の超過で15ドル。合計 月55ドル
  • Swym Gift Lists and Registries — Premiumが 月99ドル で250件まで。これがリスティングに表示される最上位プランで、250件超は「See all pricing options」の先です。
  • Little Registry: Gift Registry — Premiumが 月99ドル で300件まで。
  • AAA‑ Advance Gift Registry App — プランは1つ、月29ドル、レジストリ数は無制限。
  • MyRegistry Lite — 無料インストール、追加料金が発生する場合あり。直接比較できる製品ではありません(後述)。

順位が逆転します。25レジストリではGift Reggie、Swym、Little Registryが同価格です。250レジストリでは、Gift Reggieの逓減する超過単価——Basicで0.75ドル、Essentialsで0.60ドル、Professionalで0.25ドル、Expertで0.10ドル——により、固定ティアの2本よりおよそ45%安くなります。そして月29ドル無制限のプランがすべてを下回ります。

ここで「一番安いものが勝ち」と結論する前に、各ティアが何を出し惜しみしているかを見てください。

Gift Reggie: Gift Registry — 従量課金モデルと、最上位に置かれたPOS

Gift Reggie: Gift RegistryのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(Gift Reggie: Gift Registry、2026-09-02時点)

Gift Reggie: Gift Registryの開発元はModd Apps Inc.(カナダ・モントリオール)、App Store公開日は2014年4月9日、評価4.8・レビュー179件です。この比較の中で最も長い実績と最大のレビュー母数を持ちます。

プランは4段。Basic 9ドル(5レジストリ)、Essentials 15ドル(25)、Professional 30ドル(50)、Expert 40ドル(100)で、それぞれに上記の逓減する超過単価が付きます。無料トライアルは下位2プランが7日、上位2プランが30日です。

価格より重要なのは、何がどこに置かれているかです。パスワード保護レジストリとレジストリ内メッセージはEssentialsから。在庫追跡と警告——ゲストに出荷できない商品を提示しないための機能——はProfessionalから。そして運用上重要な機能群は40ドルのExpertに集まっています。Point of Saleのフルサポート、店頭でのバーコードスキャン、カスタムline item propertyの追跡、API連携、Shopify Flowのフルサポートです。

この最後のかたまりが、実店舗を持つ小売にとっての実質的な分岐点です。カップルが来店して商品をレジストリにスキャンする運用なら、レジストリ件数に関係なく40ドルのプランが確定し、上の物量計算は意味を失います。

Gift Reggieのリスティングは、顧客・商品・注文・ギフトカード・オンラインストア・カスタムデータへのアクセスに加えて機密データを要求します。注文を作成して帰属させる必要があるアプリとしては整合的な、広めのセットです。

Swym Gift Lists and Registries — 無料プランと、見えている天井

Swym Gift Lists and RegistriesのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(Swym Gift Lists and Registries、2026-09-02時点)

Swym Gift Lists and Registriesの提供元はSwym Corporation(米国シアトル)、公開日は2023年3月16日、評価4.6・レビュー36件です。プランはこのカテゴリで最もシンプルで、区切りが1軸しかありません。Freeがアクティブ5レジストリまで、Starter 15ドルが25、Pro 50ドルが100、Premium 99ドルが250。年払いで16〜17%の割引、有料プランのトライアルは30日です。

無料プランはデモではありません。ライブのレジストリを5件運用できれば、小規模ストアが予算を投じる前に「そもそも顧客が使うのか」を確かめられます。月50ドルのアプリを買って年間11件しか作られない、という失敗が起きやすいカテゴリでは、これは実際に有用な設計です。

代わりに、リスティングにはティア間の機能差の説明がありません。Swymが含める機能は、どの段でも同じように含まれているように読めます。つまり支払っているのは純粋に容量であり、請求額が予測しやすいのは利点ですが、「安いプランで高度な機能を」という買い方はできません。

なおSwym CorporationはApp StoreでSwym Wishlist Plusも提供しています。同じストアで既にそちらを使っているなら、価格だけで比較する前に、買い物客IDの共有について開発元に確認する価値があります。

Little Registry: Gift Registry — 住所マスキングを明記している唯一のリスティング

Little Registry: Gift RegistryのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(Little Registry: Gift Registry、2026-09-02時点)

Little Registry: Gift Registryの開発元はHiplo Studio(米国ニューヨーク)、公開日は2024年12月27日で、この中で最も新しいアプリです。評価5.0ですがレビューは3件。3件はサンプルとは言えません。評価は未検証、アプリは初期段階として扱うべきです。

それでもこの比較に入れる理由は、他の誰も書いていない機能があるからです。説明文には、チェックアウト時に登録者の配送先住所をマスクし、誰がリストを閲覧できるかを登録者自身が選べる、と書かれています。これは公開型ギフトレジストリの最も居心地の悪い性質——登録者はリンクを知る全員に対して、最終的に自宅へ荷物が届くリストを公開している——に正面から対応する機能です。

問題は、それがどこに置かれているかです。Masking User Address from Gift Givers はマルチストアPOSやカスタム連携と並んで、月99ドルのPremiumプランに記載されています。パスワード保護レジストリと非公開レジストリはもっと下、Basic 15ドルからです。つまり多くの人が「当然の初期装備」だと思うプライバシー制御が、このリスティングでは最上位ティアにあります。

プランはFree(5レジストリ)、Basic 15ドル(25)、Growth 50ドル(100)、Premium 99ドル(300)。超過単価はそれぞれ1件あたり月0.80ドル、0.30ドル、0.15ドルで、超過課金の前に7日間の猶予期間があると明記されています。POS対応はGrowth 50ドルから、マルチストアPOSアプリはPremiumからです。

AAA‑ Advance Gift Registry App — 定額・無制限、ただし情報が薄い

AAA‑ Advance Gift Registry AppのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(AAA‑ Advance Gift Registry App、2026-09-02時点)

AAA‑ Advance Gift Registry Appの提供元はAAAeCommerce Inc(米国デラウェア州クレイモント)、公開日は2017年9月11日、評価4.7・レビュー27件です。プランは1つ、月29ドル・14日間の無料トライアルで、機能リストは3行しかありません。無制限のレジストリ作成、友人との共有、より多くのギフトの獲得。

29ドルで無制限は、この比較における物量面の最良条件で、しかも大差です。数百件のレジストリが見込めて要件が控えめなストアなら、分析はこれで終わりです。

ただしこのリスティングは、他の4本が明記していることのすべてについて沈黙しています。POSの記載も、在庫追跡も、住所の扱いも、パスワード保護も、line item propertyの追跡も、Shopify Flowもありません。情報が無いことと機能が無いことは別ですが、当メディアの出典ルールでは開発元が明言したことしか書けず、この開発元はほとんど何も明言していません。9年で27件というレビュー数も、Gift Reggieの179件と比べれば薄い根拠です。

定額に惹かれるなら、トライアルはまさにそのためにあります。2か月目に入る前に、住所の扱いとPOSの挙動を自分で確認してください。

MyRegistry Lite — 同じカテゴリ名を着た、別種の製品

MyRegistry LiteのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(MyRegistry Lite、2026-09-02時点)

MyRegistry Lite(提供元はMyRegistry.com、米国フォートローダーデール)は2021年10月14日公開、評価3.9・レビュー11件。無料インストールで、追加料金が発生する場合があり、アップグレードが用意されています。

説明文を丁寧に読むと、これは他の4本と同じ製品ではありません。自社商品をMyRegistryの ユニバーサルレジストリネットワーク に載せるための入門レベルの連携であり、リスティング上では「ウェブサイトのトラフィックが控えめな小売業者向け」と説明されています。価値の源泉は、自社ストアでレジストリを運用することではなく、顧客が既に使っているレジストリプラットフォーム上でグローバルブランドと並んで発見されることです。

これは正当な戦略ですが、まったく別の戦略です。目的が「自分の店で登録してもらう」ならば上の4本のどれかが必要です。目的が「別のどこかで既に登録したカップルにリーチして、自社商品をリストに追加してもらう」なら、それをするリスティングはここではこれだけで、Liteティアの価格はゼロです。

選び方

そもそも顧客がレジストリを使うのか確かめたい。 Swym Gift Lists and RegistriesかLittle Registry: Gift Registry。どちらもアクティブ5レジストリまで無料です。支払う前に1シーズン回してください。

実店舗があり、カップルが店頭で商品をスキャンする。 Gift Reggie: Gift RegistryのExpert(月40ドル)。POSと店頭バーコードスキャンはこのプランに限定されており、どんな物量計算をしても変わりません。

アクティブ200件以上を見込み、標準的な機能で足りる。 Gift ReggieのExpert+0.10ドルの超過で250件時におよそ月55ドル。固定ティアの99ドルに対して有利です。トライアルで要件を満たすと確認できれば、月29ドル定額のAAA‑ Advance Gift Registry Appはさらに安くなります。

登録者の自宅住所をギフト送り主に見せてはいけない。 Little Registry: Gift RegistryのPremium(月99ドル)が、この5本の中で住所マスキングを明記している唯一のリスティングです。この要件が譲れないなら、アプリとティアが同時に決まります。

必要なのは基盤ではなくリーチ。 MyRegistry Lite、無料インストール。

どれを選ぶ場合も、契約前に開発元へ質問をひとつしてください。「レジストリはいつアクティブでなくなるのか」です。このカテゴリのすべてのプランがこの一語の上に値付けされているのに、定義しているリスティングは1本もありません。結婚式のあと1年間「アクティブ」であり続けるレジストリは、想定していなかった超過課金です。これは従量課金型のShopifyアプリ全般で起きる、課金の分母の問題と同じ構図です。

参考・出典

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