この記事でわかること
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日本語のストアを英語圏にも出したい。Shopify Marketsを設定すれば、hreflangもcanonicalもサイトマップも自動でやってくれる——ここまでは正しい説明です。
正しくないのは「Marketsを入れればhreflangが出る」という部分です。Shopifyヘルプセンターは条件を明記しています。hreflangタグが自動生成されるのは、市場が「別のドメイン、サブドメイン、またはサブフォルダ」を持っている場合だけ。すべての市場が同じURLを使う構成なら、参照すべき代替バージョンが存在しないので、タグは1つも出ません。
そしてこの「URLを分ける」ところに、日本のストアが最初につまずく制約が2つ埋まっています。国際ドメインがBasicプラン以上でないと使えないこと。そして、言語だけのサブフォルダ(/en や /fr)はプライマリ市場にしか置けず、セカンダリ市場のサブフォルダは言語コードと国コードの組み合わせ(/en-us、/fr-ca)が必須だということです。
この記事では、Shopify標準でどこまで自動化されるのか、どこからアプリが必要になるのか、そして純正のTranslate & Adaptがどこで止まるのかを整理します。調査日は2026年9月1日、料金はすべてShopify App Store掲載のUSD表記です。
先に結論
1〜2言語で、単一ストア、Basicプラン以上なら、アプリは不要です。Markets + Translate & Adapt(無料)だけで、hreflang、自己参照canonical、多言語サイトマップまで自動的に揃います。ここに翻訳アプリを追加する理由はありません。
3言語目に進むと、純正の壁に当たります。Translate & Adaptの自動機械翻訳は最大2言語までです。3言語目以降は手動翻訳(無制限)かCSVでの一括投入になり、現実的には翻訳アプリを検討する段階です。T Lab($11.99/月〜)、LangShop($10/月〜)、Transcy($14.90/月〜)が候補になります。
国・言語を選ばせるポップアップが必要なら、これはもう純正で代替できません。Shopify Geolocationアプリは2025年3月24日に停止し、ストアからアンインストールされています。無料の代替としてGLC Geolocation & GEO Currency があります。
EUの顧客に売っているなら、この判断は選択ではなく要件です。EU域内の顧客は法令順守のため自動リダイレクトの対象外で、国・地域のレコメンドにはサードパーティアプリが必要だとShopifyヘルプセンターが明記しています。
Starterプランなら、まずBasic以上への移行が先です。国際ドメインが使えず、URLが分かれないので、hreflangも出ません。
Shopify標準がどこまで自動でやるのか
Marketsの国際SEO機能で、設定なしに効くものを整理します。
hreflangタグ。 市場にドメイン・サブドメイン・サブフォルダを割り当てると、全ページに対応するhreflangタグが追加されます。x-default はプライマリドメインを指します。市場のドメインや言語設定を変更すれば、タグも自動で追随します。この機能は全ストアでデフォルトON、Online Store > Preferences の「Social sharing image and SEO」セクションでOFFにできます。OFFにするのは、テーマやアプリで独自にhreflangを実装していて重複を避けたい場合だけです。
canonical。 全ページに自己参照のcanonicalが自動で設定されます。yourstore.com/products/shirt と yourstore.com/fr/products/shirt は、それぞれ自分自身をcanonicalとし、hreflangで互いに結ばれます。「重複コンテンツになるから手動でcanonicalを統一すべき」というアドバイスを見かけますが、国際化の文脈では逆です。自己参照canonical+hreflangが正しい形です。
サイトマップ。 市場別URLを含めて自動生成され、各URLにhreflang注釈が付きます。新しい市場を追加すればサイトマップも更新されます。
クローラーの扱い。 自動リダイレクトは顧客にのみ適用され、既知の検索エンジンクローラーは除外されます。「geolocationリダイレクトを入れるとGoogleが1つの言語版しかインデックスしなくなる」という懸念は、Shopifyの自動リダイレクトを使っている限りは当たりません。
ここまでは無料で、追加設定もほぼ不要です。問題はこの手前、URL構造を決める段階にあります。
URL構造で最初に決めるべきこと
Shopifyヘルプセンターは3つの選択肢を比較表として提示しています。要点だけ抜き出すと、こうなります。
| 方式 | 例 | ドメインオーソリティ | 設定の手間 |
|---|---|---|---|
| サブフォルダ | yourstore.com/en-us/ | プライマリドメインと共有 | 最小 |
| サブドメイン | us.yourstore.com | 独立して蓄積 | 中 |
| ccTLD | yourstore.us | 独立、最も強い地域シグナル | 最大 |
大半のストアにはサブフォルダが推奨されています。既存ドメインの評価を新しい市場が引き継げるためです。ccTLDは、その国での存在感がすでに確立していて、複数ドメインを管理するリソースがある場合に限られます。加えて .ca や .fr など一部のccTLDには居住要件や事業登記要件があり、日本の事業者がShopify経由で購入しようとしても条件を満たせないことがあります。
そして、日本のストアが実際につまずくのがサブフォルダの命名規則です。
言語だけのサブフォルダ(/en、/fr)は、プライマリ市場にしか存在できません。 セカンダリ市場のサブフォルダは、言語コードと国コードを組み合わせる必要があります。/en-us、/fr-ca、/en-eu といった形です。
日本を主市場とするストアが「英語版は /en で」と考えるのは自然ですが、これはプライマリ市場に英語を追加言語として持たせた場合の話です。米国を独立した市場として立てるなら /en-us になります。この違いはURLに直結し、後から変えれば当然リダイレクトの問題が発生します。設計の最初に決めておくべき箇所です。
もう1点。サブフォルダで作った市場を後から削除すると、そのURLは404を返します。顧客をプライマリドメインに戻すには、CSVでURLリダイレクトをインポートする必要があります。市場を「とりあえず作ってみる」のはコストがかかります。
そして多通貨で販売するにはShopifyペイメントの有効化が必須です。国際ドメイン自体もBasicプラン以上でしか使えず、myshopify.comドメインでは作成できません。カスタムドメインが前提になります。
純正Translate & Adaptがどこで止まるか
多言語化の入口は無料の純正アプリ、Shopify Translate & Adapt(4.5、1,397件)です。無料で使えるのは事実ですが、境界があります。
自動翻訳は最大2言語まで。 これが最大の制約です。手動翻訳とCSVでの一括投入は言語数の制限なく行えますが、機械翻訳に頼れるのは2言語までです。App Storeのレビューには、この2言語制限が事前に十分告知されないことへの不満が複数確認できます。
翻訳できないものがある。 ポリシーは自動翻訳の対象外で手動のみ。コレクションのフィルター、Shopify Formsで作ったフォーム、手動決済方法の説明文、商品画像、タグは翻訳できません。
SEOメタタイトル・メタディスクリプションの扱いに条件があります。 デフォルト設定のまま(商品名や説明文から自動生成される状態)だと翻訳できません。カスタム値を設定してあれば翻訳対象になります。多言語化を前提にするなら、SEOメタは各ページで明示的に埋めておく必要があります。
デフォルト言語を変更すると、変更先言語の既存翻訳がすべて削除されます。 運用中に主言語を切り替える判断は慎重に。
なお、多言語自体はLiteを除く全プランで最大20言語まで対応しています。「20言語売れる」と「自動翻訳が2言語まで」は別の話で、ここが混同されやすい箇所です。
多言語・国際SEOアプリ8本
同じ軸で並べます。すべて2026年9月1日時点のShopify App Store掲載情報です。BFSはBuilt for Shopifyバッジの有無です。
| アプリ名 | 開発元 | 最低料金 | 無料プラン | 評価(件数) | 日本語UI | BFS | 主用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Shopify Translate & Adapt | Shopify | 無料 | 完全無料 | 4.5(1,397) | あり | 純正 | 翻訳の基盤 |
| T Lab ‑ AI Language Translate | Sherpas Design | $11.99/月 | インストール無料 | 4.9(952) | あり | あり | AI翻訳・大規模 |
| Transcy: AI Language Translate | FireGroup | $14.90/月 | あり | 4.5(2,488) | あり | あり | 翻訳+通貨+geo |
| Weglot: AI Translation & SEO | Weglot | $17/月 | あり(1言語2,000語) | 4.5(788) | なし | なし | 多言語SEO |
| LangShop AI Language Translate | Aheadworks | $10/月 | あり | 4.5(442) | あり | あり | 翻訳+チェックアウト |
| langify ‑ translate your store | langify GmbH & Co. KG | $17.50/月 | あり | 4.7(680) | なし | なし | 老舗の翻訳アプリ |
| GLC Geolocation & GEO Currency | GLC | 無料 | 完全無料 | 4.6(283) | なし | あり | 国・言語セレクタ |
| GWA: Hreflang Manager | GenovaWebArt | $9.99/月/ストア | 開発ストアのみ | 4.9(16) | なし | あり | hreflangの手動制御 |
この表から読み取れることが3つあります。
第一に、日本語UIの有無で候補が明確に絞られます。 日本語で管理画面を使えるのは Translate & Adapt、T Lab、Transcy、LangShop の4本です。Weglot、langify、GLC、GWA は英語UIのみでした。管理画面を日本語で使いたいなら、この時点で選択肢は4本です。
第二に、課金の分母が揃っていません。 T Lab、Transcy、LangShop、langify は月額固定+言語数や機能で段階が分かれるのに対し、Weglotは翻訳語数で課金します。無料枠が1言語2,000語、Businessプラン$32でも3言語5万語です。商品点数が多いストアでは、月額の見た目が近くても実際の費用が桁で変わります。比較表の「最低料金」を横に並べて判断するのが最も危険なのが、この分野です。
第三に、hreflangを明示的に扱うアプリは少数です。 掲載説明文でhreflangに言及していたのはWeglot、Transcy、GWA: Hreflang Managerでした。ただし単一ストア+Marketsの構成なら、hreflangはShopifyが自動生成するので、専用アプリは通常不要です。GWA: Hreflang Manager が意味を持つのは、複数のShopifyストアを別々に運用していて、それらをhreflangで連結したい場合です。レビューは16件と少なく、判断材料は多くありません。
主要アプリの補足
Shopify Translate & Adapt(無料、4.5、1,397件、日本語UI) 手動翻訳は無制限、市場別のコンテンツ出し分け、URLハンドルの翻訳、テーマ内画像やロゴのローカライズまで無料でできます。翻訳ハンドルを作ると旧URLからのリダイレクトも自動生成されます。制約は前述のとおり自動翻訳2言語まで。1〜2言語のストアには、これ以上の選択肢が必要ない完成度です。
T Lab ‑ AI Language Translate($11.99/月〜、4.9、952件、Built for Shopify、日本語UI) 無料枠でも商品500件までのAI翻訳と20言語の追加が可能です。Premium($59.99/月)では自社のDeepL、Google、ChatGPTのAPIキーを持ち込んで無制限に翻訳できます。Autopilotで新規コンテンツを自動翻訳する機能があり、SKUが多く言語も多いストアと相性が良い構成です。
Transcy: AI Language Translate($14.90/月〜、4.5、2,488件、Built for Shopify、日本語UI) レビュー件数はこの分野で最多です。147言語・169通貨に対応し、geolocationによる自動切替まで1本で賄えます。ただしgeolocation機能は$69/月のContinentalプラン以上です。AI翻訳はトークン制で、下位プランでは月あたりの割当があります。翻訳と国別体験を1本にまとめたい中〜大規模向けです。
Weglot: AI Translation & SEO($17/月〜、4.5、788件、英語UI) hreflang、クリーンURL、多言語インデックスを掲載説明文で明示している数少ないアプリです。110以上の言語に対応。前述のとおり語数課金なので、ページ数が少なくSEO品質を最優先するプロジェクト向きです。商品数の多い一般的なECには費用が合いにくい構造です。
LangShop AI Language Translate($10/月〜、4.5、442件、Built for Shopify、日本語UI) 今回の8本で最低額です。Shopify Marketsとの統合を明記し、メタフィールド、URL、Shopifyチェックアウトまで翻訳対象に含みます。hreflangへの言及はありませんが、Markets構成なら標準でカバーされる領域です。コストを抑えたい中小ストア向け。
GLC Geolocation & GEO Currency(無料、4.6、283件、Built for Shopify、英語UI) 完全無料でBuilt for Shopifyを取得しています。国セレクタ、言語セレクタ、geolocationポップアップ、市場ドメインへのリダイレクト、404の自動リダイレクトに対応。停止したShopify Geolocationアプリの代替候補として、まず検討する価値があります。
ケース別の判断
日本語のみ、または日本語+英語の1〜2言語 Markets + Translate & Adaptで完結します。アプリは不要です。ただしプランがBasic以上であること、カスタムドメインを持っていること、SEOメタをデフォルトのままにせずカスタム値を入れておくことを確認してください。
3言語以上に自動翻訳で展開したい T Lab(コスパと大量SKU)、LangShop(最低額)、Transcy(通貨切替も必要な場合)から選びます。いずれも日本語UIがあります。
国・言語のレコメンドポップアップが必要 GLC(無料)が最初の候補です。EU向けに販売しているなら、自動リダイレクトが法令上使えないため、これは実質的な必須要件になります。
ページ数が限られていてSEO品質を最優先 Weglot。ただし語数課金なので、事前に翻訳対象の総語数を見積もってください。
複数のShopifyストアをhreflangで連結したい GWA: Hreflang Manager。単一ストア+Marketsなら不要です。
導入前チェックリスト
- プランはBasic以上か(Starterでは国際ドメインが使えず、URLが分かれないのでhreflangも出ない)
- カスタムドメインを持っているか(myshopify.comでは国際ドメインを作れない)
- 多通貨で販売するならShopifyペイメントは有効か
- セカンダリ市場のサブフォルダは言語コード+国コードにしてあるか
- SEOメタタイトル・ディスクリプションをデフォルトのままにしていないか(デフォルトだと翻訳されない)
- 翻訳アプリがShopifyの自動hreflangと重複してタグを二重出力しないか、開発元に確認したか
- 語数課金のアプリを検討している場合、翻訳対象の総語数を見積もったか
- 市場を削除する可能性があるなら、404対策のリダイレクト運用を決めてあるか
- すべてのドメイン・サブドメインをGoogle Search Consoleに登録し、サイトマップを送信したか
- EUに販売するなら、同意ベースの国・言語レコメンド手段を用意したか
まとめ
判断の順序は次のとおりです。
- hreflangは「URLが分かれている市場」にしか出ない。 Marketsを設定しただけでは条件を満たしません
- URL構造は最初に決める。 セカンダリ市場のサブフォルダは言語+国コードが必須で、後から変えるとリダイレクト運用が発生します
- 1〜2言語なら純正で完結する。 アプリを入れる理由は3言語目から生まれます
- 国・言語セレクタは純正では手当てされない。 Shopify Geolocationアプリは2025年3月24日に停止済みで、EU向けには代替手段が実質必須です
- 語数課金と月額固定を同じ表で比べない。 特にWeglotは商品数によって費用構造が大きく変わります
料金・評価・仕様はいずれも2026年9月1日時点の確認値です。導入時点で必ず再確認してください。
出典(一次情報)
- International SEO for markets|Shopify Help Center
- International domains|Shopify Help Center
- Localization and translation|Shopify Help Center
- Translate & Adapt app|Shopify Help Center
- Shopify Translate & Adapt|Shopify App Store
- T Lab ‑ AI Language Translate|Shopify App Store
- Transcy: AI Language Translate|Shopify App Store
- Weglot: AI Translation & SEO|Shopify App Store
- LangShop AI Language Translate|Shopify App Store
- langify ‑ translate your store|Shopify App Store
- GLC Geolocation & GEO Currency|Shopify App Store
- GWA: Hreflang Manager|Shopify App Store
Shop Pay Installmentsは有効化無料、アプリ不要、そしてShopifyは手数料を公開していません。レートを見られるのは自社の管理画面の中だけです。加えてCapital OneとChaseのクレジットカードを受け付けず、月次プランはデビットカード限定、ギフトカードとサブスクリプション商品は対象外で、商品ごとにオン・オフを切り替えることもできません。Affirmはパスワード保護中のストア、英語以外の主要言語、主にB2Bという理由でアカウントを停止します。さらにShopifyの「Getting paid」ページは「disputeは管理画面に通知される」と書き、FAQは「管理画面には通知されない」と書いています。適格性を満たせない場合の代替はKlarna、Afterpay、Sezzle、Zip、PayPalのon-site messagingアプリで、このカテゴリーの評価は1.0〜3.2です。調査日は2026年9月2日です。