この記事でわかること
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Shopifyでキャンペーン用のランディングページを作ろうとすると、ページビルダーアプリの比較記事が大量に出てきます。ところがそのほとんどが「操作が直感的」「テンプレートが豊富」といった使用感の話に終始していて、判断に必要な2つの情報が抜けています。
ひとつは、標準のテーマエディタでどこまで作れるのか。もうひとつは、アプリをやめたときに作ったページがどうなるのかです。
後者は特に重要です。この記事で調べた4本のうち、1本は公開中のページごと即時に完全削除され復旧できず、1本は純粋なHTMLとしてストアに残り続けます。同じカテゴリのアプリで、ここまで挙動が違います。
Shopify公式ドキュメントと各アプリの公式ヘルプの記載だけを根拠に、判断材料を整理します。調査日は2026年9月1日です。
先に結論
セクション数が20個以内で収まるページなら、標準のテーマエディタで足ります。ページ用の代替テンプレートを複製して作る方法があり、追加費用はかかりません。
公開ページが1枚だけなら、GemPagesの無料プランかLayoutHubの無料プランで足ります。前者は公開1ページ、後者は公開3スロットまで無料です。
コストを抑えつつ公開ページ数を気にせず作りたいなら、GemPagesのBuildプラン($29/月)が最も早く「公開ページ無制限」に到達します。
将来アプリをやめる可能性があるなら、Shogunが最も安全です。公開済みページが純HTMLとして残ると公式ヘルプに明記されている唯一のアプリです。ただし公開には最低$39/月かかります。
日本語UIで編集したいなら、この4本ではPageFlyだけです。
Shopify標準のテーマエディタはどこまで作れるのか
「ページビルダーがないとLPは作れない」という前提は、正確ではありません。テーマエディタにも数値で決まった作業領域があります。
数値で確認できる上限
Shopifyの開発者向けドキュメントには、テーマの上限値が一覧で公開されています。ページ作成に関係するものを抜き出します。
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 1つのJSONテンプレートに置けるセクション数 | 25 |
| 1セクションに置けるブロック数 | 50(テーマ側でさらに縮小可能) |
| 1テンプレートの合計ブロック数 | 1,250 |
| テーマブロックのネスト階層 | 8 |
| 1テーマのJSONテンプレート数 | 1,000 |
| 1テーマのセクショングループ数 | 20 |
| JSONテンプレートファイルの最大サイズ | 512KB |
「25セクション」という上限は、実務では意外と大きな数字です。ヒーロー、特徴説明、比較表、お客様の声、FAQ、CTAといった構成要素を1セクションずつ積んでいっても、通常のLPなら10〜15セクションで収まります。
標準機能でできること
商品ページ、コレクションページ、ページ、ブログ、ブログ記事については、代替テンプレートを作れます。既存テンプレートを元に新規作成すると同じセクション構成が複製されるため、「LP用テンプレート」を1つ作って使い回す運用が可能です。合計1,000テンプレートまで持てます。
作成したテンプレートは、商品やページの管理画面にある「テーマテンプレート」欄で割り当てます。商品とコレクションは一括編集での割り当てにも対応しています。
メタフィールドとメタオブジェクトを動的ソースとしてセクション設定に接続することもできます。メタオブジェクト専用のテンプレートも作れるため、標準機能だけでも「同じ体裁のページを大量に作る」用途には対応できます。
標準機能で詰まる場所
一方で、公式ドキュメントに明記された限界もあります。
**セクションが受け付けるブロックの種類は、テーマ制作者が決めた範囲に限定されます。**1つのセクションはテーマブロックかセクションブロックのどちらか一方しか受け付けず、混在できません。「このセクションにこの要素を足したい」がテーマの設計に入っていなければ、テーマエディタからは追加できません。
**テーマブロックのネスト自体がテーマ依存です。**コードエディタのサイドバーにblocksフォルダがないテーマでは、8階層のネスト構造そのものが使えません。
動的ソースはJSONテンプレート対応テーマが前提で、すべてのセクション・ブロックが対応しているわけではありません。
**テンプレートのリネームと削除はコードエディタでしかできません。**テーマエディタからは作成しかできず、整理には結局コードを触ることになります。
Shopifyヘルプセンター自身が、目的の設定がテーマにない場合の対応として「テーマコードを編集する」か「テーマ開発者に問い合わせる」と案内しています。ここがページビルダーアプリの存在理由です。
テーマ数の上限はプランで変わる
もうひとつ、意外と知られていない制約があります。ストアに追加できるテーマ数はプランごとに決まっています。
- Starterプラン:Spotlightテーマのみ
- Basic・Grow・Advancedプラン:最大20テーマ
- Shopify Plusプラン:最大100テーマ
有料テーマは同時に最大19個までトライアルできます。上限に達したら既存テーマを削除しないと追加できません。「LPごとにテーマを複製する」という運用は、20という上限に早めにぶつかります。
4本の比較
Shopify App Storeの「Page builder」カテゴリには2026年9月1日時点で371本が登録されています。ここではレビュー件数の多いPageFly、GemPages、Shogunに、Built for Shopifyバッジを持つLayoutHubを加えた4本を比較します。
| アプリ名 | 評価(件数) | Built for Shopify | 日本語UI | 無料枠 | 「無制限」到達価格 | 課金の主軸 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| PageFly ✦ AI Page Builder | 4.9(5,681) | なし | あり | 公開1スロット | $99/月 | 公開スロット数+AIクレジット |
| GemPages Landing Page Builder | 4.9(4,048) | なし | なし | 公開1ページ | $29/月 | 公開ページ数→テーマセクション数 |
| Shogun ‑ Landing Page Builder | 4.8(1,869) | なし | なし | 公開0(下書きのみ) | $199/月 | 公開ページ数 |
| LayoutHub ‑ Easy Page Builder | 5.0(1,332) | あり | なし | 公開3スロット | $59.99/月 | 公開スロット数 |
比較表から読み取れること
課金の主軸は4本とも「公開しているページの数」ですが、数え方と価格帯が大きく違います。
**「無制限」への到達価格が7倍近く開きます。**GemPagesはBuildプラン($29/月)の時点で公開ページ数が無制限になります。PageFlyはAccelerate($99/月)、LayoutHubはPremium($59.99/月)、Shogunに至ってはGrow($199/月)まで上がります。公開ページを10枚以上作る予定なら、この差がそのまま年間コストの差になります。
**PageFlyだけ「ページ」と「セクション」を同じ単位で数えます。**PageFlyの公式ヘルプには「1スロットは1ページまたは1セクションに相当する」「ページの種類によってスロットの価格は変わらず、すべて等しく1スロットとして数える」と明記されています。既存のテーマページに埋め込むセクションを作った場合も、独立したLPを1枚作った場合も、消費するスロットは同じ1です。Builderプラン($24/月)は5スロットからで、5スロット単位で$5を追加購入できます。
**Shogunだけ無料プランで公開ができません。**Draft Modeという無料プランはありますが、掲載ページの記載は「下書きページの作成 - ページの公開なし」です。ビジュアルビルダーとテンプレートは試せますが、実際に公開するにはBuildプラン($39/月、25ページまで)が必要です。他の3本が無料で1〜3ページを公開できるのと対照的です。
**GemPagesは公開ページ数を早期に無制限化する代わりに、別の軸で段階を作っています。**Buildプラン($29/月)の記載は「公開ページ無制限」ですが、同時に「テーマセクション:20」「AI Image to Layout:300セクション」という上限が併記されています。Optimize($59/月)でAI生成が無制限になり、セールスファネルとポストパーチェスアップセルが加わります。
**Built for Shopifyバッジを持つのはLayoutHubだけです。**レビュー件数で上位を占めるPageFly、GemPages、Shogunはいずれもバッジを保有していません。ただし以前の記事でも触れたとおり、このバッジはパフォーマンスと設計の基準を満たしていることを示すもので、料金やサポート言語を保証するものではありません。
**日本語UIがあるのはPageFlyだけです。**掲載ページの対応言語欄に日本語が入っているのはPageFlyのみで、GemPages、Shogun、LayoutHubはいずれも日本語を含みません。
アンインストールしたらページはどうなるか
ここが4本で最も差が出る箇所です。各社の公式ヘルプの記載を確認します。
PageFly:公開ページごと即時に完全削除される
PageFlyの公式ヘルプには、次の警告が掲載されています。
重要な警告:一度アンインストールすると、すべてのPageFlyのデータと公開済みコンテンツは永久に削除され、アプリを再インストールしても復元できません。
削除対象として、アプリ側のページ・セクション・分析データ・A/Bテストの結果・保存済みテンプレートに加えて、テーマ側に公開済みのPageFlyページとセクションが明記されています。「この削除は確認後ただちに実行され、取り消せません」「PageFlyはアンインストール後にデータのバックアップを保持しません」とも書かれています。
FAQには「アンインストール後にデータを復元できますか」という質問があり、答えは「いいえ」です。「猶予期間もデータの一時保管もありません」と続きます。ライブストアは、PageFlyが動いていた箇所についてデフォルトのテーマテンプレートに戻ります。
PageFly自身が推奨している回避策は、アンインストールではなく無料プランへのダウングレードです。ただし無料プランは公開1スロットまでなので、それ以上公開しているページは自分で非公開にする必要があります。公式ヘルプは「一度無料プランに落とすと、有料にアップグレードする以外に2ページ目以降を公開する方法はない」と明記しています。
なお、検索結果には「PageFlyをアンインストールしてもページは残り、24時間データが保持される」という記述が今も残っていますが、現行の公式ヘルプページにその記載はありません。この記事は現行ページの記載を採用しています。
GemPages:ページは残るが表示が崩れる可能性がある
GemPagesの公式ヘルプには、次のように書かれています。
GemPagesをアンインストールすると、特定のファイルとスクリプトが削除されるため、Shopifyの構成上、ライブページの表示に問題が生じる可能性があります。GemPagesを再インストールすると、これらのファイルは自動的に復元され、ページは期待どおりに機能します。
ページ自体は消えませんが、動作は保証されません。再インストールで戻る点はPageFlyとの決定的な違いです。
GemPagesも推奨は無料プランへのダウングレードです。「ライブページはそのまま残り、GemPages内で編集も続けられます」と書かれています。ただし「2ページ以上を公開している状態では、いずれかを再公開することは許可されません」という制約があります。
個人データについては、ShopifyのGDPRポリシーに従いアンインストールから48時間後に自動削除されます。削除前にメール通知があります。
Shogun:純HTMLとして残り、消えない
Shogunの公式ヘルプの記載は、他の2本と根本的に違います。
アンインストール後も、ライブページと下書きはすべて保持されます。公開済みのページは純粋なHTMLとして配信されるライブページとしてストアに残るため、消えることはありません。
ただし注意点もあります。「Shogun外でこれらのページを編集すると、プラットフォームがページのスタイルを剥がす可能性があり、その場合はShogunから再公開が必要になります」と書かれています。
削除されるのはShogun側に保管されているデータで、分析データ、監査ログ、コラボレーターとユーザーの情報、フォームデータ、Instagram連携、同期データが対象です。「アンインストール後、Shopifyから14日以内にこのデータを削除するよう通知が来ます」とあり、削除予定日はメールで通知され、削除日前に再インストールすれば削除を回避できます。
実務上の落とし穴は、Shogunのフォーム要素はデータ削除後に動作しなくなる点です。LP内に問い合わせフォームやメール登録フォームを置いている場合、ページは表示されてもフォームだけが機能しなくなります。ページ内に独自実装したフォームは動作を継続します。
LayoutHub:公式ドキュメントで確認できず
LayoutHubについては、アンインストール時の挙動を記載した公式ドキュメントをこの記事の調査範囲では確認できませんでした。導入前にサポートへ確認することを推奨します。
ページ速度についての注意
ページビルダーの比較でよく話題になるのがページ速度ですが、第三者による横並びの検証データは見つかりませんでした。各社が自社ドキュメントで述べている内容を、あくまで自己申告として扱う必要があります。
PageFlyの公式ヘルプには「PageSpeedはさまざまな要因の影響を受けますが、PageFlyがストアのPageSpeedに影響を与えることはありません」と書かれています。同じページで、ページの重量について「専門家は4MB未満、理想的には2MB未満を推奨している」という数値目安と、画像の遅延読み込み設定、Gen 2エディタを使うとネストされたコンテナ数が減って読み込みが改善するという説明が掲載されています。
GemPagesは読み込み速度の最適化に関するヘルプ記事群を持ち、LCPなどCore Web Vitalsの個別指標に踏み込んでいます。Shogunにもページ速度レポートの解釈に関するヘルプ記事があります。いずれも各社の自社ドキュメントである点は変わりません。
速度を判断材料にするなら、無料トライアル中に自店のテーマとコンテンツで実測するのが唯一の確実な方法です。
ケース別の選び方
まず追加費用なしで試したい
標準のテーマエディタで代替テンプレートを作ってみてください。25セクションの上限に達するか、テーマにない要素が必要になった時点が、アプリを検討する境界線です。
公開ページが1〜3枚で足りる
GemPagesの無料プラン(公開1ページ)かLayoutHubの無料プラン(公開3スロット)で運用できます。LayoutHubは下書きも10枚まで作れます。
公開ページを10枚以上作る
GemPagesのBuildプラン($29/月)が、公開ページ無制限への最短経路です。ただしテーマセクションは20という別枠があるため、既存テーマへ埋め込むセクションを多用する場合は上位プランの検討が必要です。
日本語UIで社内メンバーに触ってもらいたい
PageFlyが唯一の選択肢です。ただし課金単位がスロット制で、セクションもページと同じ1スロットを消費する点に注意してください。Builderプラン($24/月)は5スロットからです。
アプリをやめる可能性を織り込みたい
Shogunが最も安全です。公開ページが純HTMLとして残ると明記されている唯一のアプリです。ただし公開にはBuildプラン($39/月)以上が必要で、無制限にするにはGrow($199/月)まで上がります。フォームを多用するページでは、フォームだけが動かなくなる点も踏まえてください。
逆に、PageFlyを選ぶ場合は「やめるときはアンインストールではなく無料プランへのダウングレード」を運用ルールとして決めておく必要があります。
導入前チェックリスト
- 標準のテーマエディタと代替テンプレートで作れないか確認したか
- 作りたいページのセクション数が25以内に収まるか
- 使用中のテーマがテーマブロック(
blocksフォルダ)に対応しているか - 公開する予定のページ数と、各アプリの無料枠・無制限到達価格を突き合わせたか
- PageFlyを検討する場合、セクションもページと同じ1スロットを消費することを理解しているか
- アンインストール時にページがどうなるかを、ベンダーの公式ヘルプで確認したか
- LP内にフォームを置く場合、アプリ提供のフォームか独自実装かを決めたか
- 編集を担当するメンバーが使える言語のUIか
- 無料トライアル中に、自店のテーマで実際のページ速度を計測したか
- ページのバックアップ(エクスポート機能)が用意されているか
まとめ
判断の順序は4つです。
**1. 標準機能の上限を先に知る。**1テンプレート25セクション、1セクション50ブロック、テンプレート1,000本。この枠に収まるなら追加費用は不要です。
**2. 「無制限」の到達価格で比べる。**同じ「公開ページ無制限」でも、GemPagesは$29/月、PageFlyは$99/月、Shogunは$199/月です。
**3. 出口を先に確認する。**PageFlyはアンインストールで公開ページごと完全削除、GemPagesは残るが表示が崩れる可能性があり再インストールで復旧、Shogunは純HTMLとして残ります。この差は導入後には変えられません。
**4. 編集する人の言語で絞る。**日本語UIがあるのは4本中PageFlyだけです。
料金とプラン構成は変更される可能性があります。PageFlyについては、App Store掲載ページの4プラン構成と同社ヘルプの5段階構成が一致していない状態を確認しています。導入前に必ず最新の掲載内容を確認してください。
Shop Pay Installmentsは有効化無料、アプリ不要、そしてShopifyは手数料を公開していません。レートを見られるのは自社の管理画面の中だけです。加えてCapital OneとChaseのクレジットカードを受け付けず、月次プランはデビットカード限定、ギフトカードとサブスクリプション商品は対象外で、商品ごとにオン・オフを切り替えることもできません。Affirmはパスワード保護中のストア、英語以外の主要言語、主にB2Bという理由でアカウントを停止します。さらにShopifyの「Getting paid」ページは「disputeは管理画面に通知される」と書き、FAQは「管理画面には通知されない」と書いています。適格性を満たせない場合の代替はKlarna、Afterpay、Sezzle、Zip、PayPalのon-site messagingアプリで、このカテゴリーの評価は1.0〜3.2です。調査日は2026年9月2日です。