この記事でわかること
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米国向けShopifyストアの「sales taxアプリおすすめ」記事は、今もほぼ全部が同じ前提から始まります。「Shopifyは税額を計算するが申告はしてくれない。だからアプリが要る」。この前提は、もう成立していません。
Shopify Taxはsales taxを課税する全米州の自動申告に対応し、月次・四半期・半期・年次の申告書をストアのデータから生成して提出します。価格も公開されています。Basic / Grow / Advancedで1申告75ドル、Plusで50ドルです。
この1つの数字が、カテゴリー全体の見え方を変えます。Numeralは1申告75ドル、Sidrは60ドル、Sales Tax Automation by TaxRexは25ドル。単価を公開しているアプリの中で、Shopify自身のサービスが最も高い部類に入り、しかも州への登録(registration)だけは代行しません。
この記事では、Shopify Taxで何ができて何ができないのか、すでにアプリを入れているマーチャントの大半を締め出す資格条件、Shopifyヘルプセンターの2ページが食い違っている無料枠の起算方法、そして実在する6本のアプリを1申告あたりの単価で比較します。調査日は2026年9月2日、料金はShopify公式またはShopify App Store掲載のUSD表記です。
先に結論
- Shopify Taxは申告を代行するようになった。以前はしていなかった。対象はsales taxを課税する全米州。
- 費用は生成された申告書1件あたり75ドル(Plusは50ドル)。課金対象は「提出された申告」ではなく**「生成された申告」**で、エラーが解消されず提出できなくても課金され、返金はされない。
- 2025年にBasic Tax、Manual Tax、サードパーティ税務アプリのいずれかを使っていた場合、自動申告は利用できない。 Shopifyはこの判定基準を「調整できない」と明記している。
- Shopify Taxは州への登録を代行しない。この記事で比較するアプリはすべて代行し、料金は1州あたり99〜150ドル。
- 無料枠の起算方法が2026年5月13日を境に変わった。それ以前に作成されたストアは暦年ごとに10万ドル、それ以降に作成されたストアは累計で10万ドル。
- この点について、Shopifyヘルプセンターの2ページが現在も異なる説明をしている。
課金される前のShopify Taxで何ができるか
売上10万ドル未満ならShopify Taxは無料で、その範囲でできることは比較記事で書かれているよりかなり広いです。
Rooftop accuracy。 税率をZIPコードではなく番地単位で計算します。Shopifyはこれを「Shopify Taxのみに含まれる」機能として明示しており、Manual Taxにはありません。
Tax liability insights。 各州のeconomic nexusしきい値に対する自社の売上を追跡し、2つのステータスで表示します。登録が必要かもしれない州はAction required、Shopify内の売上がしきい値の80%以上に達した州はMonitoringです。nexus追跡はほぼすべての有料税務アプリが目玉機能として掲げているものですが、Shopifyはこれを無料で提供しています。
State feesとtax holidays。 コロラド州のretail delivery feeや、テキサス州の8月のsales tax holidayが自動で処理されます。Manual Taxはどちらも扱いません。
このほかB2B tax exemptions、customer tax exemptions、商品カテゴリーの自動推奨による課税判定も含まれます。
制約も同じくらい具体的です。liability insightsが見るのはShopify内の取引と、有効な配送先住所を持つインポート注文だけで、住所のないインポート注文はnexus追跡から完全に消えます。ローカル税についてはnexusを追跡しません。これはアラスカ州やコロラド州のように、州とは別にローカルの申告義務がある地域で効いてきます。さらにロケーションを削除すると、そのロケーション由来のphysical nexusもレポートから消えますが、多くの州にはtrailing nexus(活動をやめた後も一定期間、四半期単位あるいは12か月間、納税義務が残るという考え方)があります。
しきい値の起算が変わり、ドキュメントが追いついていない
想定外の請求につながりやすいのがここです。
2026年5月13日より前に作成されたストアは、全世界売上10万ドルまで暦年ごとに無料です。超過後は、課税を有効にしている州の注文に0.35%の計算手数料(Plusは0.25%)がかかり、1注文あたり0.99ドル、1リージョンあたり年間5,000ドルが上限になります。
2026年5月13日以降に作成されたストアは、累計10万ドルまで無料です。料率も1注文0.99ドルの上限も同じですが、新しいストア向けの料金表には年間上限の記載がありません。5,000ドルの年間上限は、旧ストア向けの表にだけ載っています。
年商300万ドルのストアにとって、「毎年リセットされる枠」と「一度きりの枠」の差は、しきい値を年1回超えるのか、一度超えたら二度と戻らないのかの差です。
一方でShopifyの Choose a tax service ページには、現在も現在形でこう書かれています。「Each calendar year, Shopify Tax is free until you reach the following thresholds in global GMV per store(暦年ごとに、ストアあたりの全世界GMVが次のしきい値に達するまでShopify Taxは無料)」。この記述が正しいのは2026年5月13日より前に作成されたストアだけです。公式2ページで答えが違います。新しいストアなら、料金ページのほうを信じてください。
無料枠を前提に計画を立てる前に、もう1つ。ギフトカード、Shopify POSの対面売上、Shopチャネル経由の売上、非課税商品、注文にかかる税額と送料がすべてしきい値に算入されます。課税売上ではなく、プラットフォーム全体の総流通額です。
自動申告の資格条件という壁
Shopifyの申告サービスは機能面では十分に競争力があります。問題は、誰が使えるかです。
Automated filing is not available if you used a tax service other than Shopify Tax in 2025, such as Basic Tax, Manual Tax, or third-party tax apps.
文字どおりに読んでください。2025年を通してTaxJarを使い、2026年にShopifyへ集約したいマーチャントは対象外です。しかもShopifyは、この判定パラメータは「調整できない」と書いています。Shopifyの申告機能を最も使いやすい立場にいるのは、税務アプリを一度も買わなかったマーチャントであり、それは税務アプリを検索している層とほぼ逆です。
その他の制約も、すべて公式に記載があります。
- Streamlined Sales Tax(SST)に非対応。 これは実費の差になります。TaxCloud Sales Tax AutomationはSST加盟24州の認定プロバイダで、その州では州側がプロバイダの手数料を負担します。
- どの州でもprepaymentに非対応、過去分・修正申告にも非対応。
- 同時に扱えるストアは1つ。 組織内の複数ストアをまとめて申告することはできません。
- Loop Returns & Exchangesアプリとは非互換。
- 申告内容が正確であるためには、申告対象期間を通じてtax-inclusive pricingが無効であり、ストア通貨がUSDである必要があります。Shopifyはこれを利用資格ではなく「正確性のための前提条件」として記載していますが、実務上の効果は同じです。
- 対象はmerchant of recordが自社である売上のみ。Amazon、TikTok、インポート注文は除外されます。ただしDCを含む24の州・地域は、marketplaceの売上を申告書に報告することを求めており、Shopifyは資格判定の際にmarketplace設定を確認しないと明記しています。
- 2025年8月26日以降、Metaはmarketplace facilitatorではなくなりました。それ以降に作成されたFacebook・Instagram経由の注文は、Metaではなく自社のコンプライアンス責任です。
課金ルールも押さえておく必要があります。手数料の対象は生成された申告書であって、提出された申告書ではありません。ある期間の申告書が生成された後にエラーで提出できなくなっても75ドルは請求され、返金されません。回避策は、その月の9日より前(8日まで)に申告をスキップすることだけです。
アプリ6本と、1申告あたりの実額
サードパーティ税務アプリは、そのストアのShopify税務サービスを完全に置き換えます。両方を同時に使うことはできません。加えてShopifyは2025年7月14日に米国でのBasic Taxの新規登録を終了しており、税務サービスの切り替えは元に戻せない場合があると警告しています。Basic Taxが利用できなくなったストアは、別のサービスを保存した後にBasic Taxへ戻せません。
| サービス | App Store評価 | 1申告あたり | 1州登録あたり | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| Shopify Tax automated filing | 該当なし(Shopify純正) | $75(Plusは$50) | 提供なし | しきい値未満は$0 |
| Sales Tax Automation by TaxRex | 5.0(118件) | $25 | $99 | 注文数に応じて$10〜$100 |
| Sidr ‑ Sales Tax Automation | 5.0(63件) | $60 | $150 | $60(Plusプラン) |
| Numeral Sales Tax | 4.5(129件) | $75 | $150 | 無料インストール |
| TaxCloud Sales Tax Automation | 4.8(95件) | 非公開 | 込み | 注文数と申告数に応じる |
| Kintsugi Sales Tax Automation | 4.7(26件) | リスティングに記載なし | 記載なし | 無料プランあり |
| TaxJar Sales Tax Automation | 2.4(64件) | AutoFile枠に含む | 記載なし | $39または$99 |
評価と料金は2026年9月2日時点のShopify App Storeの表示です。
Sales Tax Automation by TaxRex

出典: Shopify App Store(Sales Tax Automation by TaxRex、2026-09-02時点)
このカテゴリーで公開されている単価としては最安です。1州1申告あたり25ドル、州登録1件あたり99ドルで、これに注文数に応じたサブスクリプションが加わります。200注文で月10ドル、500注文で20ドル、1,500注文で30ドル、10,000注文で100ドル。超過分は1注文0.05ドルから0.01ドルまで下がります。118件のレビューで5.0、4つ星が1件あるだけでそれ以下の評価はありません。
8州で毎月申告するマーチャントなら、申告費用は月200ドル。Shopifyなら600ドルです。ただしリスティングには一部ストア向けに「This app isn't compatible with your store」と表示されるため、価格を前提に計画する前に互換性を確認してください。
Sidr ‑ Sales Tax Automation

出典: Shopify App Store(Sidr ‑ Sales Tax Automation、2026-09-02時点)
無料プランの中身はこの中で最も実用的です。全州のnexus監視、過去債務の分析、住所検証、ライブチャットが、支払い方法の登録なしで使えます。Plusプランは月60ドルに加えて1申告60ドル、1州登録150ドルで、自動申告と納付、州からの通知を受け取るvirtual mailbox、過去分申告と修正申告、通知対応が付きます。
過去分申告と修正申告に対応している点は重要です。Shopify自身のサービスはどちらも明確に拒否しているため、3年分の未登録nexusが見つかったマーチャントはShopify Taxでは対処できません。Sidrは63件のレビューで5.0、5つ星以外の評価はありません。
Numeral Sales Tax

出典: Shopify App Store(Numeral Sales Tax、2026-09-02時点)
無料インストールで、米国の申告が1件75ドル、州登録が1件150ドル。70か国以上のVAT・GSTは個別見積もりです。リスティングでは「期限内に申告できなければ加算税と利息を当社が負担する」という保証を掲げています。
評価は129件で4.5ですが、分布が特徴的です。5つ星102件、4つ星13件、3つ星と2つ星がゼロ、1つ星が14件。この二極化はレビュー本文にも表れています。米国マーチャントによる最近の1つ星レビューは、州ごとに年次・四半期・月次と申告頻度が違うのにNumeralは月次でしか申告してくれなかったとし、1申告あたり約半額のKintsugiへ移行したと書いています。契約前に申告頻度の扱いを確認してください。
TaxCloud Sales Tax Automation

出典: Shopify App Store(TaxCloud Sales Tax Automation、2026-09-02時点)
TaxCloudの構造的な優位はSSTです。Streamlined Sales Tax加盟24州の認定サービスプロバイダであるため、その州では州側がTaxCloudに手数料を支払います。Shopifyの商品カテゴリーからTIC(Taxability Information Code)を自動マッピングし、注文を日次で同期します。料金は注文数と申告数に基づくサブスクリプションで、100注文が含まれ、請求はShopifyの請求書とは別にTaxCloudから発生します。そのためリスティングからは総額が分かりません。
95件のレビューで4.8(5つ星91件、1つ星4件)。米国マーチャントによる長文の5つ星レビューは、23州分の申告を税理士から移行した経緯を書いています。一方で1年以上利用した1つ星レビューは、2,000ドル以上支払って成果がなかったと書いています。
Kintsugi Sales Tax Automation

出典: Shopify App Store(Kintsugi Sales Tax Automation、2026-09-02時点)
リスティングに掲載されているのは無料プラン1つだけで、内容はnexus監視、過去債務の洗い出し、リスク評価、新規nexusアラート、住所検証、CSVインポートです。申告と登録の料金はApp Storeのリスティングに記載がないため、他所で見かけた単価は書面で確認するまで未確定として扱ってください。
26件のレビューで4.7。リスティングのdata access欄も見ておく価値があります。センシティブな顧客データとデバイス・行動データの閲覧に加え、顧客・商品・注文・割引の閲覧と編集を要求しています。
TaxJar Sales Tax Automation

出典: Shopify App Store(TaxJar Sales Tax Automation、2026-09-02時点)
TaxJarはウェブ上で最も推薦されているsales taxアプリであり、Shopify App Storeでは最も評価が低いアプリです。64件のレビューで2.4、5つ星32件に対して1つ星が24件。掲載開始は2013年8月28日で、2021年からStripe傘下です。
購入前に確認したい点が料金表にあります。月39ドルのStarterプランと月99ドルのProfessionalプランが、リスティング上ではどちらも「Up to 200 orders」と記載されています。表示上の違いはeconomic nexusダッシュボードの有無と、無料で使えるAutoFileの本数(Starterは年2回、Professionalは年4回)です。この枠を超えた分のAutoFile料金はリスティングに記載がありません。
最近の1つ星レビューは2つの論点に集まっています。サポートの応答性と、免税処理です。6年以上利用している米国マーチャントは、Shopify側で設定した顧客の免税設定が申告時に無視され、州への修正申告が必要になったと書いています。TaxJarはこれらのレビューに公開で返信しています。
選び方
売上10万ドル未満で、まだどの州にも登録していない場合。 Shopify Taxだけで十分です。nexus追跡もrooftop accuracyもtax holidaysも無料で、いまアプリを買っても、すでに持っている監視機能を買うだけになります。
1〜3州にnexusがあり、他社サービスを使ったことがない場合。 Shopifyの自動申告が最も可動部が少ない選択で、1申告75ドルです。各州への登録は自分で済ませてから有効化してください。
しきい値超過に応じて新しい州へ登録していく必要がある場合。 Shopifyは登録を代行しません。TaxRex(1州99ドル)、SidrまたはNumeral(1州150ドル)が対応します。
多数の州で毎月申告する場合。 単価がすべてです。月8件なら、TaxRexで200ドル、Sidrで480ドル、ShopifyまたはNumeralで600ドル。まず自社ストアとの互換性を確認してください。
SST加盟州へ販売している場合。 TaxCloudのSST認定は24州で手数料負担を州側へ移します。Shopifyの自動申告はSSTに一切対応していません。
過去分の未納、修正申告、未登録のまま積み上がったnexusがある場合。 Shopifyは過去分・修正申告を明確に扱いません。Sidrは過去分申告と修正申告をプラン内容に挙げています。それ以外は税理士の領域です。
Manual Taxを使っている、または2025年に税務アプリを使っていた場合。 Shopifyの申告資格の外側にいます。しかも税務サービスの切り替えは元に戻せないことがあります。判断は一度きりだと考えてください。
最後に、すべてに共通する注意点です。ここに挙げたどのツールも、「どこで納税義務が生じるか」を決めてはくれません。Shopifyは公開しているすべての税務ページでそう書いており、それは正しい指摘です。liability insightsやnexusダッシュボードは、その判断の材料であって、判断そのものではありません。
参考・出典
- Shopify Tax pricing — Shopifyヘルプセンター
- Automated filing with Shopify Tax — Shopifyヘルプセンター
- Pricing for automated filing with Shopify Tax — Shopifyヘルプセンター
- Eligibility and considerations for using automated filing with Shopify Tax — Shopifyヘルプセンター
- Choose a tax service — Shopifyヘルプセンター
- Review your US tax liability insights — Shopifyヘルプセンター
- Tax apps — Shopifyヘルプセンター
- Avalara Tax Compliance — Shopifyヘルプセンター
- Shopify App Storeの各リスティング(TaxJar Sales Tax Automation、Numeral Sales Tax、Sidr ‑ Sales Tax Automation、Sales Tax Automation by TaxRex、TaxCloud Sales Tax Automation、Kintsugi Sales Tax Automation)、2026年9月2日取得
自分が所有する2つのShopifyストアの間を、Shopifyは何も同期しません。ロケーションは1ストアの中の概念、Marketsは1ストアから多国を売る機能、Shopify Collectiveはドロップシップの関係で、1商品100バリエーションの上限があり、アンインストールすると取り込んだ在庫が0になります。つまりマルチストア同期は完全にアプリの領域なのですが、実在する6本のアプリは6種類の別々の単位で課金しています。Syncioは宛先ストアに商品数、供給元に注文数。Tipoは宛先ストアの全バリエーション数(同期していない分も含む)。Synkroの月25ドルプランは接続ストアごとに25ドル。Trunkは全チャネル合計の直近3か月平均注文数。同一条件の2ストア構成で見積もると、月額はおよそ10ドルから119ドルまで開きます。2026年9月2日にShopify App Storeで確認しました。